グレイス=フィールドの最年長 (ページ2)

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1話ページ2

Aside

…ラン

カランカラン

6時ぴったり、施設の朝は鐘の音で始まる

ここでの暮らしももう14年、扉の向こうからみんなの声が聞こえる

私は常に医務室にいる。体がほんの少しだけ弱いから、心臓が少し弱いから、ストレスを感じやすいから

エマ「おはようA姉！」

『おはようエマ、フィル』

フィル「おはよーお姉ちゃん！」

現在は39人兄弟

性格も年齢も肌の色も様々で私たちに血の繋がりはない

でも…

ノーマン「おはようA姉さん」

レイ「おはよ、A姉は大人だな、エマとは違って」

エマ「んな！？レイの意地悪〜」

『フフっ私はいつもエマに元気もらってるから、今のエマが大好きよ』

エマ「A姉大好き！ありがとう！」

イザベラ「時間通りね、いただきます」

これが当たり前の日常

フカフカのベッド

美味しいご飯

白ずくめの制服

首筋の認識番号

そして

毎日のテスト

「第1問……」

『ふぅ…』

エマ「大丈夫？具合悪くなった？」

『ううん、疲れたなぁって思っただけよ』

エマ「そっか」

イザベラ「結果を返すわね〜ノーマン、レイ、エマ、A…すごいわ4人とも！また300点！満点よ！」

ここに14年もいるのだからもちろん私は満点が取れるだろう

私は脳はもちろん成長しきっている、だが心臓が弱いから治療のため12歳よりもう3年、15歳にここを出る

テストが終わるとみんなは外へ鬼ごっこへ行く、私は体が弱いからレイと一緒に見守り

いつもは医務室だけどたまには外に出ないとね

ドン「うへっノーマンが鬼だ」

エマ「レイは？」

レイ「パス」

エマ「チェッたまには混ざればいいのに」

『エマ〜頑張って〜』

皆は木登り、かくれんぼ、鬼ごっこ、たくさん向こうの森で遊んでいた。もちろん私も散歩がてら何度も森へ入った

施設の敷地は広い

けど外へと通じる門と森の柵の向こうには近づいてはならない

『……あら、数分のうちにどんどん捕まったわね』

ラニオン「だってノーマンだもん」

コニー「あ、ドン！」

これで鬼ごっこの残りはエマ1人