37話 ページ38
Aside
なるほど、ならここは鬼の世界で私達は世界がふたつになった時の言わば置き土産
レイ「置いて.....行かれた?」
ソンジュ「鬼は人間を狩らない、その約束を守り以来人間を管理・養殖し続けている」
『その養殖機関が農園ってことね』
ソンジュ「ああ、GFはその中でも最上級に位置する一つ...多種多数ある農園のトップだ。取り決めからおよそ1000年...世界の姿はほぼ変わらない、残念だがこれがお前達が生まれた.....逃げて出た世界だ」
なるほど、世界が二つになったならあの生態系も納得だ
ほんの30年なんかじゃなく1000年ずっと鬼の世界だった
いくらどれだけ逃げても...この世界は______人間の世界じゃない
エマ「A姉...レイ...」
レイ「ああ...」
『……』
エマ「…やったぁ!!よかったぁ!!」
ソンジュ「ん???」
突然喜んだ私たちにソンジュがびっくりする。まぁそりゃそうでしょう...絶望に叩きつけたと思ったのに喜んでいるなんて
『ふふっ最悪ね』
エマ「最悪だけど!最悪だけどその先があった!!」
レイ「おう!よくわからんが思ってたよりずっと良かった!」
エマ「人間の世界が別にある。鬼がいない世界が他にあるんだよ!」
レイ「ああ!これで思う存分フィル達を迎えに戻れる」
私たちが喜んでいるとソンジュが申し訳なさそうな顔をする
ソンジュ「あ、いや...すごく伝えづらいんだが...人間の世界には渡れない.....道は完全に閉ざされている。二度と行き来はできないと決まりで定められてしまったから」
『それなら大丈夫よ』
そうにこやかに答える
ソンジュ「は?」
『私達には心強い家族がいる、絶対に見つけるわ』
するとエマがソンジュに渡された飲み物を一気飲みする
エマ「ありがとうソンジュ、元気出た!」
ソンジュ「...そうか、それなら.....まぁ良かった。明日からはこの森の抜け道を教えよう、出口まで無事送る。案内は任せろ」
『何から何までありがとう...おやすみなさい』
エマ「本当にありがとう、おやすみなさい!」
ソンジュ「あ、Aちょっと待て」
私だけがソンジュに引き止められる
『?どうしたの?』
ソンジュ「これやるよ」
そう言って渡されたのは勾玉のブレスレットだった
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作者名:空白ニダ | 作成日時:2023年4月2日 22時