狂犬と事故チュー【今日から俺は！！】 (ページ30)

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＿④ ページ30

「ん？ん？？なんて？」

「だから開久の頭の片桐とできてんだろ？」

「はぁぁぁぁぁあ！？」

え、なに、え？お前も？お前なのなの？なんでそうやって決めつけんの？ちょっと話したぐらいで決めつけて。クラスに一人はいるからかう奴だなお前。

「だからてめぇは此処で大人しく…グハっ！！」

「田原さん！て、てめぇ何しやがる！！」

「何しやがるだとこらァ？それはこっちのセリフだァ！」

男に蹴りを入れ手に持っていた金属バットを奪って思いっきり一発腹にきめる。

「おい！陽子さっさと立ってこっち来い！」

「あ、うん」

「おいちょっま」

「てめぇ！ウチの妹に触ってんじゃねェ！！！」

男の頭にフルスイングしたら思った通り男は血を吐いて倒れる。ちょっとだけスッキリしたぞ。だけど、昨日から積もりに積もった怒りは収まらない。

「なんなんだよお前ら…昨日と今日で私を傷つけやがって！生きて帰れると思うなよ！！」

「いや昨日ってなんだよ？！俺らなんもしてねェよな？！」

そんなの知ったことか！お前も悪いんだ。私がおかしいわけじゃない。

「うるせェ！どういつもこいつもよォ…人の好きな奴を勝手に決めやがって……私が好きなのは…相良だコノヤロー！！！」

「あ、姉さん言ったね。言っちゃったね」

やけくそだコノヤロォ！！てめぇらのおかけでこっちは相良に謝りに行くのが遅れるだろうが！これで振られたらお前らのせいだからな！！呪う、絶対呪ってやる。

陽子を守りつつ馬鹿共に金属バットを振り下ろす。でも、なかなか数が減らない。こいつらどんだけ開久に恨みあんだよ…。

ちょっとキツいなと感じたその時。

「鈴木！！！」

私を呼ぶ声がした。

振り向けば走って向かってくる相良と開久の野郎たち。

あ、かっこいい…と思った矢先。後頭部に鋭い痛み。

「姉さん！！」

そのまま地面に向かって倒れる体。

顔を伝う生暖かい液体。

遠のいてく意識。

あれ、なんかおかしいな。体に力が入らねぇ…。陽子？誰？何言っての？ハッキリ言えよな…？

次第にボヤけだした視界のなか最後に見えたのは、男たちをなぎ倒す狂犬の姿だった。