飛行機のおかげ？ ページ6
「屋上って気持ちいいね。」
「でしょ！？俺いっつもここでサボってるんだよねえ。」
「やっぱり！あの時は雨だったから保健室来たの？」
「そうそう。でも、良かったよ。」
「なんで？」
「それは…天使に会えたから。」
自分的にはいいタイミングに言ったと思う。
「翔くんは真っ白のシーツに包まれて眠ってた。俺は、その時翔くんが好きになった。」
多分、ていうか絶対翔くんは引いてると思う。男が男になんて、受け入れてくれるはずが無い。
「…え？…本当？」
翔くんは小さな声で言った。それは、どっちの本当なのだろう。
「俺も……智くんのこと…好き。」
思ってもみなかった返答だった。
俺は、無意識のうちに翔くんを優しく抱きしめていた。
「翔くん、本当に言ってる？付き合っていいの？俺、翔くんの彼氏名乗っていいの？」
耳元で言った。
「好きなんだから、付き合おうよ。
俺も智くんの彼女名乗るよ…？」
赤い顔で爆弾発言しやがった。
こいつ、天使じゃなくて小悪魔だな。
でも、そんな君が可愛くて。
愛おしくて。
形の良い唇にキスした。
「？！やめてよ///！！」
拒否してるけど、顔に嬉しさ滲み出てる。わかりやすい。
「え？だって恋人同士じゃん？普通のことしただけだよ？何照れてんの。俺の彼女になった以上、俺の命令には絶対聞いてもらうからね(黒笑)」
こんな彼女すぐ誰かに捕まっちゃうでしょ。こんぐらいしないとねえ。
「…それ守んないと智くんと付き合えなくなるから命令聞いとくわ笑」
翔くんは笑いながら言ったけど、本気なのにな。
「…翔くんは渡さないよ。」
小声で言ったから、飛行機の飛ぶ音で簡単にかき消された。
「え？今なんて言った？」
「ふふ、秘密。」
俺は束縛が激しい彼氏になるのかな…？
Fin.
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作者名：むぎ | 作成日時：2014年2月4日 0時
