透明な色

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「わたしは大丈夫です！任せてください」

胸を張って言えた。

数ヶ月前のわたしだったら言えなかったと思う。

「ほんと？じゃあ任せちゃお～」

「任せるに決まってるじゃ～ん。こんな自信満々なんて～心強いッ！」

先輩2人はニヤニヤして言う。

「えっ待って…わたし技術ないんですって。先輩達の顔面にかかってます！」

わたしが慌てたのをみて2人はクスクス笑う。
ああ、大好きだ。この2人が作り出す空気もこれから魅せてくれるステージも。全てが大好きだ。

「いいよ、いつも通りで。大丈夫。」

「そうだな～。まあ変に撮ったら罰金、かな…」

こうやってふざけながらステージに見送るのも最後。わたしが先輩たちを撮るのも最後。

先輩たちのステージも最後、これで引退。

「先輩。わたし、先輩たちのこと大好きです」

カイ先輩は知ってるよと呟いて、船津先輩は満足げに微笑んだ。

「先輩、いってらっしゃい！」

精一杯の笑顔で見送る。
この数ヶ月、楽しいことだけじゃなかった。
たくさん悩んだ。

でもこの2人には、感謝しかない。

「行ってきます。泣かないでね」

「行ってくる。お前も早く行きな」

精一杯の笑顔で。
ありがとう。執筆状態：更新停止中