青春のすべて (ページ21)

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ポーカーフェイスページ21

《安田s i d e 》

｢お待たせいたしました。生おひとつと、烏龍茶です。｣

安｢ありがとうございます｣

よくお世話になる居酒屋、タイミングの良いような悪いような時に飲み物やらつまみやらが運ばれてくる

渋｢なんや、女でもできたか｣

個室の暑いくらいの部屋に冷たい風がふいた気がした

渋やんはいつもみたいに、余裕のある表情でこちらをみてくる

僕は深呼吸をして

｢Aちゃん。知っとるよな？｣

渋｢、、、誰やそれ、知らんなぁ｣

｢渋やん。嘘つかんといて、名前くらいしっとるやろ？｣

Aちゃんの名前が出た瞬間。ぱっと見では分からんけど、瞳の奥が揺れた

渋｢、、、昔の女にでもおったかな｣

渋やんにしては珍しく、失言やった

今ので、Aちゃんが渋やんの昔の女じゃないと分かった

たとえそうやとしても
．．．
ただの女やない

｢そっかぁ、まぁ聞いてぇな。僕な、Aちゃんって子と〖病院〗でおうたんよ｣

わざと、〖病院〗を強調して話し始める

渋やんのポーカーフェイスが崩れるのを待つ

｢その子な、僕らのこと知らんみたいで、まだまだ有名にならんとあかんなぁ僕達｣

渋｢あぁ、そうやな｣

それから、Aちゃんとのことを、渋やんに話していく

渋やんは、最初に名前を出した時以降、一切表情を崩さない

｢、、、でなぁ、丸が渋やんのこと話したんよー。したらAちゃん。過呼吸起こして倒れたんよ、だから、渋やんのこと知っとるのかなぁ？ってお｢やす｣、、、ん？｣

ずっと黙って僕の話を聞いてた渋やんが、顔はもう半分以下になったお酒に向けながら、ちらりとこちらをむく

渋｢お前今、倒れたって言いよったか、そいつ｣

ポーカーフェイスが、崩れた