7話By黒洞揚羽 ページ10
夜も更け、場所は居酒屋。
新人社員、敦の入社試験内容を話し合い籤引きにより役目のできた谷崎、国木田、太宰、中原が集まっていた。
「今回も太宰にぎゃふんと言わせることは出来なかったな。」
「だから言ったんだよ。こんなんじゃ此奴にバレるってな。」
国木田の喚きに谷崎は同調し中原はため息をつく。
「うふふ、ぎゃふんくらい頼めば何度でも言ってあげるのに。おや、この蓋つきの料理は何だろう。珍しいねぇ。」
太宰は卓上の皿に手を伸ばしながら云った。
「でも＿＿そういえば太宰さん、ボクの次に小さい『3』の数字を引いたせいで新人くんを連れてくる役になっちゃいましたけどそれを避けなかったのは何故です？」
「ぎゃふんぎゃふん。国木田君と中也がただ日頃の恨みを晴らすためじゃなく私に何か学ばせよう＿＿みたいな意思を感じたからだよ。少しぐらいはその配慮に応じようと思ってね。ぎゃふん。」
「ふん。俺は本当にお前が憎かっただけだ。」
「いつかぜってぇ殺 す。」
「はて。そういえば先刻の給仕さんどこかで見たような＿＿」
「……ん？」
太宰の開いた蓋の中に料理は無かった。
そこには爆弾らしきものと《矢張リ、ワタシダケヲ視テ。》と書かれた紙片があった。
「あー、これはあれかな。蓋をこれ以上動かしたら、ドカン、っていう奴かな…？」
笑顔のまま凍り付いた表情で同僚の方へ視線を向ける。
が。
「あれ…？中也？谷崎君？国木田君？」
いつの間ににか3人はいなくなっていた。事態を察して脱兎の如く姿を消したのだ。
「……あー………。ぎゃふん。」
周囲のざわめきの中、太宰はそう呟いた。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「あいつはぜってえ死なす。」
国木田と谷崎と別れ帰宅の途につく中原はそう呟いた。
探偵社員として殺すことは出来無い。という葛藤と戦いながら、今日の籤引きで引いた『5』の数字を見つめた。
「やるしかねえか。」
新人社員、中島敦＿＿入社前夜。
探偵社の夜は更けていく。
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黒洞揚羽(プロフ) - 鈴桜さん» わわわ！こっちの作品まで来てくれたんですね！！！ありがとうございます！頑張りますね！ (2020年6月11日 21時) (
レス) id: 6ab151bc47 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - 凄く面白いです！続き頑張って下さい (2020年6月11日 21時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱菜＠�� x他2人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/468/
作成日時：2020年5月17日 16時
