8話by朱菜@�� ページ11
「……あの莫迦は何処行きやがった？」
「出社して開口一番がそれか？まあいいが……奴なら小僧を迎えに行った」
彼奴が一人で向かったのか。……厭な予感しかしないな。
どうやらその予感は的中したらしく、着手を知らせる画面はしっかりと青鯖と表示されている。切ろうとしたが、横に居る国木田の出ろと云わんばかりの圧に溜息をつきつつ応答を押した。
「チッ……何だよ？」
｛助けて｝
「何で」
｛死にそう｝
「良かったじゃねえかよ」
｛いやそうだけど｝
「死ぬのは勝手だが敦は連れてこいよ、試験にならねェからな。じゃあな」
一方的に喋り電話を切る。こういう時の太宰には関わらないのが賢明というものだ。
「真逆自 殺か？」
「嗚呼。敦だけは連れてこいっつう風に云った」
矛盾していると思うだろうが、どうせ死なないのだから目的は果たしてもらわなければ困る。
「で、用意は出来てんのか？」
「嗚呼、向こうの部屋で谷崎とナオミが用意を───」
「ちょ、ちょっとナオミ……！」
「やーん、兄様が縛られても素敵ですわ♡」
会議室から漏れ聞こえてくる声に微妙な雰囲気が流れる。何か探偵社の深淵に触れてしまったような気がした。
「……未だ時間が掛かるな。しゃーねェ、迎えに行くか」
「お前も行くのか？」
「確かに、俺は犯人制圧役だが……お前と太宰が絡むと数件
「……否定出来んのが情けないな」
「相手が悪ィ」
社を出て恐らく太宰が向かったであろう探偵社寮に向かう。だがそこに太宰の姿はない……唯一あるのは、横倒しになったドラム缶が一つ。
「……間違いなくこれで自 殺してやがったな」
「居ないということは小僧と共に向かった……チッ、よりにもよってすれ違いか」
「……何だこれ」
ドラム缶の下で不自然に紙が挟まっている。引っ張り出して開くと、見慣れた字で───
「『敦君と探偵社に向かうから後は宜しくね』！？彼奴、俺達がこの時間に来ることまで見越して動きやがったな……！」
「あんの木乃伊が……」
「包帯何米使えばああなるんだよ、無駄に使いやがって。包帯無駄遣いする為に生まれてきたんじゃねェのか、あの野郎は」
「……仕方ない。兎に角太宰を追うぞ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒洞揚羽(プロフ) - 鈴桜さん» わわわ！こっちの作品まで来てくれたんですね！！！ありがとうございます！頑張りますね！ (2020年6月11日 21時) (
レス) id: 6ab151bc47 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - 凄く面白いです！続き頑張って下さい (2020年6月11日 21時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朱菜＠�� x他2人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/468/
作成日時：2020年5月17日 16時
