第97話 ページ50
昨日のことが頭から離れない
三日月さんは、どう思ってるんだろう...
「A？A？」
「これは気付いていないな」
「上の空ってやつか」
「なに、俺に任せろ！」
「はぁ...」
「わぁぁぁ！！」
『きゃぁぁ！！な、何！？』
「思ってた以上の反応だな」
『鶴丸に加州か...』
ボーっとし過ぎてたのだろう
全然2人に気付かなかった
『気付かなくてごめん』
「いや、別に特に用事があるわけじゃないけどさ」
「きみは分かりやすいな」
『え？』
「三日月と何かあったんでしょ？」
『...っ！』
「三日月と進展あったのか？」
『あったと言えばあるけど、無いと言えばない』
「どっちなのさ...」
「何の話をしてるんだい？」
「楽しそうだな！」
「ちょうど恋ばなとやらをしてたんだ」
「恋ばな！？僕も交ざりたい！」
「バナナの話か？」
「大包平、お前はバカなのか」
「なに！？」
いつのまにか、話を聞きたがる人数が増えてしまった
『....』
「で、三日月と何があったんだ？」
「鶴丸。楽しみすぎ」
「悪い悪い」
「キスでもされたとか！？」
『キスはされてない』
「なんだ〜」
そう。キスはされてない
昨日、私は心の準備をしていた
三日月さんからのスキンシップは恥ずかしかったが、嫌じゃなかった
もしかしたら、このまま流れで何か起こるかもしれないと思っていた
"『あの、三日月さん...』
[口付けは、そなたと恋仲になれた時にしよう。そして...この続きもだ]"
三日月さんはスキンシップはしても、恋仲になるまでは手を出さないと私に告げた
あまりにも、大胆な言葉に私は何も返せなかった
[なにやら、俺の話で盛り上がってるようだな]
『...っ！』
「三日月！」
[俺も交ぜて貰おう]
「三日月、どうしてAにキスしなかったんだ？」
[俺達は、まだ恋仲(仮)だからな]
「もしかして、焦らしてるんですか？」
[はっはっは。焦らすか...俺は優しいぞ？]
三日月さんが来てから、さらに話が盛り上がっていく
もし、私と三日月さんが本当に恋仲になったら大変なことになりそうだ
[A]
『は、はい！』
[あまり顔を赤くしていると怪しまれるぞ]
『み、三日月さんがいけないんです！』
[はっはっは。そうか、俺のせいか。すまんな]
『うぅ...』
三日月さんは優しい
だけど、たまに意地悪だ
「A様！」
『長谷部？慌ててどうしたの？』
「手紙が届いていまして...」
『手紙？誰かな？』
差出人は審神者様だった...
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2020年9月22日 20時
