第95話 ページ48
気まずい...
絶対、鶴丸との会話聞いてたよね！？
三日月さんの顔が見れない！
[A]
『は、はい！』
[すまない。先程の話、全て聞いていた]
ですよね...
『鶴丸に相談したのが間違いでしたよね。よ、夜を一緒に過ごしてみるだなんて＿＿』
[俺は構わんぞ？]
『えっ！？』
[そなたが望むのならばの話だがな]
『いや、えっと...』
どうしよう！
上手く言葉に出来ない！
[鶴丸のことは気にすることない]
『え？』
[ゆっくりで良いではないか]
『ゆ、ゆっくりですか...』
[俺達はまだ始まったばかりだからな]
『でも、何をすれば良いのか...私達は恋仲(仮)ですし...』
[では、そなたは何をしたい？]
『わ、私ですか？』
[あぁ]
『い、一緒に居たい、です』
[俺も同じ気持ちだ]
『ほ、本当ですか？』
[うむ]
『良かった...』
優しく頬笑む三日月さんに少し心が落ち着いた
[だが、夜に会うのはよそう]
『どうしてですか？』
[(仮)とはいえ、何もしない保証はないからな]
『えっ...』
[俺はそなたを愛している。そなたの特別になりたいと思っている。そして、一線を越えたいともな]
『...っ！』
そうだよね
恋仲(仮)とはいえ、三日月さんは私に好意を抱いてくれている
そう思っていても可笑しくはない
[...すまない。少し困らせてしまったな]
『い、いえ...』
[だが、俺も男だ。それだけは忘れるでないぞ？]
『は、はい...』
[ではな]
こんなことを言われたぐらいで、顔を赤くしてて私は大丈夫なのだろうか
三日月さんを受け入れたいと言ったのは私だ
心の準備しなくちゃ...
「"俺も男だ"か...なかなか言うじゃないか」
[鶴丸...盗み聞きか]
「三日月も、さっき盗み聞きしてただろ？お互い様だ」
[夜を共に過ごすのは、まだまだ先になりそうだな]
「あぁ。あの調子じゃ、Aがもたないぜ？」
[はっはっは。いつも愛らしい反応する。俺の方がもたんだろうな]
「...三日月」
[なんだ？]
「幸せにしてやれよ」
[あぁ。もちろんだ]
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2020年9月22日 20時
