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「A、ファーストキスは誰だったんだ…」
パトリシアさんとの話を終えた後、イライさんが般若のような顔で私に迫ってきた。
なんでイライさんが怒ってるの！？やめてくれー！と思いつつも、苦笑いで対応。
「違います違います…！ファーストキスはまだ、ですよ！」
私がそう言ったのにもかかわらず、イライさんはまだまだ問い詰めてくる。
「じゃあさっきパトリシアさんが言ってたのはどうなんだ！」
「うう、嘘です！嘘だから、そんな顔を近づけないでください…！」
イライさんは壁に私を追い詰めて、逃げれないようにしてきた。
「ファーストキスが私じゃないなら、セカンドは欲しい。このままキスしたいんだg…」
私は口を近づけてくるイライさんの口を両手で塞いで叫んだ
「限界です！助けてくださぁああい！！！」
すると、ナワーブさんが「やれやれ」と言いたげな顔で、イライさんを私から離して、
「イライ、程々にしろよ」とおさめてくれた。やだ、ナワーブさんイケメン…、好き…。
でもイライさんはバタバタとナワーブさんに腕を掴まれたまま暴れた。
「セカンドを他の誰かに取られたらどうするんだ！今しておかないと！」
イライさんのその言葉に、場のみんなは呆れた
「いや、誰もとらねえから安心しな」
「花火師って、衣装が法被であんまり可愛く思えないしなぁ」
「火薬の調整がうまいのは尊敬するけど、Aのキスは欲しくない」
「だってさ、安心しなイライ」
え、私貶されまくりじゃない…？傷つくわー…。と思えば、
「Aは法被でも可愛いんだ！！走ってるときに法被がヒラヒラしてるのを見てみろ！
興奮するからな！火薬の調整もだが、暗号解読も早いし、料理もうまいし、
裁縫でも、なんでも丁寧で仕事が早いし、嫁の候補に抜擢するからな。
顔も整ってるし、髪の毛も青みがかってて綺麗だし、最高なんだよ？」
イライさんのカバーがはいる。うーん、嬉しいけど、なんともいえない…。
私や、みんながイライさんの熱弁に苦笑いしていると「そういえば！」と、
エミリーさんが私に手紙を渡した。
「これ、なんですか…？」
「荘園の主からよ。花火師の新衣装を5着ほど出すそうよ！」
「えぇっ！そんな一気に？」
「そうなのよ…、花火師はよく対戦に出るわりに衣装が少ないから、
五着花火師の衣装を考えたらしいのよ」
私は嬉しくなった。なんて、何故かイライさんが一番ウキウキしてるんだけどね。
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作成日時：2019年8月6日 22時
