#BTS LIFE

【10】今日は何の日 ページ46

「なあ、今日何の日か知ってる？」




授業終わりの教室で
疲れているわたしに質問ばかりするのは

隣のクラスのミンユンギ

彼とは『腐れ縁』という言葉が

ピッタリだ





「今日？？？何かあったっけ？」



わたしの言葉にムスッとする
そして教卓の上に座り こう言うの


「おれの誕生日なんだけど。」


...


「へーそうなの」



私はそんなの関係ない

とでもいうような顔で
鞄に荷物をつめる


じつは。
ちゃんと家のカレンダー印してある

分かってるんだけどね



プレゼントだって
ちゃんとある

びっくりさせたくて
最後の最後まで

知らんぷりでいようと思ったの


ユンギは昔から
拗ねると すぐに表情にでる

もちろん態度にも


「なんでいつも、忘れる？お前。」


眉をしかめながら
足をバタバタさせるユンギに

「うるさい」なんて強く言えるのは

きっと私くらいだろうな



バレンタイン、誕生日、
ホワイトデーも。

なにか行事があるたびに
女の子に囲まれるのがお約束の彼




とにかく人気者



「どうせもうプレゼント貰ったでしょ？」


ゆっくりと頷く彼

「やっぱりね」

ユンギのリュックを見れば
一目瞭然だ

ファスナーだって閉まりきっていない


「俺のほうが年上だな」


私より早い誕生日のユンギ
毎年言うセリフだ


「そうだね」


適当に答える私


「ほんとA、俺に冷たいよな」



うつむいて
目を合わそうともしない



でもね、嬉しいんだよ


こうやって拗ねるのって
私にだけでしょ？


だれも知らない
ユンギの魅力

独り占めしてしまった気分だ..


「わたしが何も用意してないとでも思った？」

本当はもう少しも後で渡してもいいと
思ったけど

善は急げ。

鞄の底から紙袋をとろうとした



「そうだ！」


何か思い出したように
教卓から飛び降り

鞄をあけるユンギ


思わず私の手はとまる


「これ見てみ。すっげー可愛い。な？」


取り出したのは


ピンクのラッピングの袋

きっと今日誰かから
もらったプレゼントだろう


「すっげー気に入った」


嬉しそうに
じっと眺めてる。



そんな姿、あまり見たくない...

他の女の子からのプレゼントで

そんなに喜んじゃうなんて。



悲しくて
私は手をそっと引っ込めたんだ







「ん？どうした？そんな顔して」

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