【twst】監督生が帰ったらしい【男主】 (ページ4)

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4◓ ページ4

(本編読破後推奨)

不思議な気分のまま、家まで帰ってきた。
朝の雪で風邪をひいたのか、身体が重く怠い。

(おかしいな、俺、あんま風邪引かないタイプだけど……)

(……いや？)

(どこかで引いた。遠い、どこかで)

どこだっけ。
しかし今は考えたくない。考える度に風邪の進行か頭が痛むのだ。
あまり慣れない風邪に身体が不安を覚え始めた。寒さもあるが、どうしても不安な気持ちになって泣きそうになる。身体が震える。寒い、痛い、辛い、……寂しい。
こんな時はチキンスープが飲みたくなる。あと、りんごゼリーにすりおろしりんごも。お母さんに言えば作ってくれるかな？

注文しに、あとは熱を測ろうと部屋から出ようとするも、身体が動かない。冬だからか日が落ちるのも早く、ベッドの上に寝転がれば意識がすぐに離れてしまった。抵抗しようにもできずに、欲に従って目を閉じる。

また、夢を見た。
俺は誰かに頭を撫でてもらっていた。

不安げだけど優しい手からはじまって、
段々と、沢山の温かみのある手が俺を撫でていく。
全部知らない手だけど心地が良い。
もっともっとと頭を手に近付けるけど、それらは離れていって、
気がつけば俺は暗闇の中に一人だった。

一人は怖い。
何があるか分からないから。

「っあ！？」
「あらあんた、起きたの。だいぶ魘されてたけど大丈夫？」

やっぱり俺は熱があったらしく、起きた時にはお母さんに看病されていた。
ついでにと食べたいものを伝えると、お母さんから「あんたにすりおろしりんごなんて食べさせたことないけど」と言われ、出されたものも俺の知らない味だった。