第26話 ページ27
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「______なんて、何時もは優秀な部下が切羽詰まって泣きそうな顔をしながら云ったのだから、何事かと思ったよねえエリスちゃん」
「ノックもしないなんてきっとそれ程、そのコンヤクシャとの家を建てたかったのよ」
るんるん気分の中年に大きな瞳の可愛い幼女。
困難を乗り切ったやっとの職場は突然包囲されて
黒塗りの高級車から出てきた護衛付きの男に「新婚さんにオススメのケェキはどれだい?」何て云われたものだから、
『…あ、はは』
私だって笑いたくもなるわ。
「本当はこの子の為なのだけど…、あの真面目な彼の門出だからねえ」
何処ぞのお偉いさんか。何事かと。
うーんと、年齢らしからぬオーラを醸し出す男はショーケースと睨みっこ。
最近起こる非日常な体験に、もはや反応すら出来ない。
「君はどう思うね?」
『はい…?』
ふと疑問を問いかけられて返事をした。
ぴん、と背が伸びて身構える
「もし仕事も出来て」
『仕事も出来て…?』
「根は真面目で気配り上手で」
『根は真面目で気配り上手…』
ほうほう。
「何でも器用にこなしてしまって」
『何でも器用にこなせたり…』
美味しい手料理。居心地の善い運転。
「顔もなかなか整っていて」
『顔も整って居るし…』
鋭い瞳に色白だから長い睫毛が映えていて、帽子の似合う幹部で……って、_____違うだろ私。
重ねた手の甲を思いっ切り抓って我を保つ。
全くどうにかしてる
と、無心に成る、のだが。
「そんな彼が居た時に君だったらどの様な家が欲しいかな?」
『え、家、ですか?』
思わずぐらりと動揺してしまった。
ドンピシャなデジャヴ。
家、新婚、コンヤクシャ…?
「いや何ね、君と同い歳位の…」
その時だ
「_____首領!!」
見覚えのある黒帽子が飛び込んで来たのは。
.
数分前。
_____出ねェじゃねェか!!!
俺は焦りと動悸でクラクラしながら、応答の無い携帯を投げそうになり息を切らす。
エリス嬢と突如買い物に行くと云いだした首領。
始めこそはポカンとしていたが、その時の顔は少しニヤついた祝福の顔で。
「(絶対ェ何か勘違いしてる、)」
せかせかと携帯をタップしてみても汗は止まらず。
焦燥と沈痛が胸を襲って頭はズキズキと痛んだ。
どうにか早急に誤解を解かねばならない____のだが。
着いた建物と手元の携帯を交互に見比べた
GPSは正常か?
「…マジかよ」
今日は厄日。
なんで昼間に俺、Aの仕事場に居るンだろう。
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レインボー文豪娘 - このぶっ飛んだ始まりと、「また家を吹っ飛ばしに行く」というセリフが素晴らしすぎました。最高でした。 (4月14日 22時) (レス) @page40 id: d65177cced (このIDを非表示/違反報告)
しおぽんら(プロフ) - テトさんと同じなのですが、プリ小説という小説サイトで活動していますか?設定もセリフも同じなので気になってコメントさせてもらいました。リンクはこちらですhttps://novel.prcm.jp/novel/U7KPVPevcPuDxlQlBkXn (9月2日 17時) (レス) @page1 id: 535c2b64b5 (このIDを非表示/違反報告)
テト(プロフ) - 初コメがこんなのですみません。あの…プリ小説という小説で活動していますか?なにやらプリ小説内で先程こちらと似たような作品を見つけまして…もしかしたらこの作品がパクられているかもしれないのでコメントさせてもらいました (8月30日 15時) (レス) @page1 id: e3b6735391 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫もふお - 神作品ありがとうございますっ!!! (8月18日 12時) (レス) @page18 id: 9c4f5ea239 (このIDを非表示/違反報告)
未栄 - 最高すぎて鼻血出るかと思いました (8月1日 13時) (レス) @page40 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
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