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出来ないんじゃない、やらないんだ。 ページ5

出水とのランク戦を終えた後、俺達4人はジュースを買ってソファでくつろいでいた。

目の前で次は誰と戦うとかギャーギャー騒いでいる緑川と米屋を眺めながら買ったジュースのストローに口をつけて中身を飲む。

するとこちらに近付く足音が聞こえた。


「お、なんだ今日は古神もいるじゃねぇか。」

「珍しいな。」


振り返るとそこには荒船先輩と鋼先輩の姿。

仲良いなーこの2人。



「荒船先輩、鋼先輩、こんちわっす。」


2人に挨拶した3人に続けて俺も挨拶をする。


「お2人はランク戦?」

「そうだ。」

「荒船先輩!俺とやろうよ!」

「いいぜ。……と、その前に、古神。」

「はい?」

「お前、狙撃手の訓練に来るか来ないか、結局どっちにしたんだ?」


そう言われて、あーあれか、と思い出す。
木崎さんに次ぐ完璧万能手になり、そして量産する事を目的とする荒船先輩はその計画に俺を入れようと考えていた。



「すみません。やっぱり俺は狙撃手はやんないです。今の自分の戦い方を極めたいし。」

「そうか。まぁ予想はしてたけどな。考えてくれてありがとな。」

「いえいえ。」


そう言って、緑川と鋼先輩と一緒にブースの方へ去っていった荒船先輩。


「なーんか、申し訳ねー。」


そう呟いた俺に米屋が不思議そうに尋ねてくる。


「なんでだ?お前の言ったこと、正しいだろ。」

「ちげーよこいつ。ただの言い訳だよ。」


米屋の問いに出水が俺を指さしながらそう言った。
人を指さしてはいけません。


「言い訳?なんだよお前、好きだろ荒船先輩。」

「荒船先輩は好きだけどさ。狙撃手ってポイント貯めんのムズいし、地道な努力ってやつ?俺はしたくないんだよね。やってすぐ結果が出てくんないと、面白くないよ。」

「うわ出たクズー。」


どーとでも言えー。
分かってんだよクソな理由な事ぐらい。でも実際向いてないし長続きしないから、真っ当な選択だろ。

俺は開き直ってるゾ


「それに……」

「まだあんのか。」

「いや、寧ろこれが最大の理由だよ。」

「何だそんなに大事な事なのか。」

「居るだろ…狙撃手の所には……」

「ん?」

「アイツだよ。」

「アイツって?」

「……………………隠岐。」

「あーー。」


やっと納得してくれた米屋。

そう、俺が狙撃手にならないのは他でも無い、隠岐が居るからだ。別に嫌いな訳じゃない。

だけどアイツは俺を見つけたら直ぐベタベタしてくるから面倒なんだ。

隠岐孝二という男→←馬鹿に巻き込まれていい事なんてない



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作者名:ゆっけ | 作成日時:2022年11月10日 19時

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