嫌な予感は当たるもので ページ30
さとみside
「桃里くんごめん…俺、なんも出来んかった…」
何度か口を開閉した後、眉を八の字にして、頭を下げる七瀬さん。
「こちらこそすいませんでした。本当に七瀬さんいてくれて助かった。A1人だったら、どうなっていたか分からないから」
「その事なんやけど…たぶん、原因俺なんだよね」
「…どういうこと？」
「ユキちゃんのこと、聞いたんだけど」
「え！？Aに？」
「うん。そこから少し様子おかしくて、この前初めてユキちゃんを知った日あるじゃん。あの時のこと言ったら、それ何時？って聞かれて、3時くらい、って答えたんだけど…そしたら大きな音がして、見に行ったら頭を抑えながら倒れてて。俺どうしたらいいか分からなくなっちゃって」
___リーダーなのに、情けないよね。
そう悔しそうに、申し訳なさそうに言う七瀬さんに、静かに首を横に振る。
「A、なんか言ってました？」
「小さくてあまり聞こえなかったんだけど…嫌だ、痛い、熱い、知らない、まだ、離れたくない…って言ってた」
「知らない、か」
離れたくない、はきっとAの本心から出た言葉。だけどそらより気になるのは、知らない、って方。
それが指すのはきっと、あの時の記憶がAにはない、ということで。
それはつまり。
意識が、“あの姿”に持っていかれてたということだ。
そこまでたどり着いて、この前感じていた嫌な予感が当たっていたことに、背筋に寒気が走った。
「…くん、里くん、桃里くん！」
「え、あぁ、すみません」
「大丈夫？」
「大丈夫。少し考え事してただけだから」
真っ白な頭で思考をめぐらせて、そう言えば。
どこか納得していない表情のまま、彼はもう一度口を開いた。
嫌な予感は当たるもので
(残された時間は)
(あとどれ位なのか)
(考えたくない)
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風雅(プロフ) - ゆあさん» 初めまして。コメントありがとうございます。少しずつですが、更新できるように頑張らせて頂きます。今後ともよろしくお願い致します！ (2019年10月12日 9時) (
レス) id: 4353acba07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！！頑張ってください！ (2019年10月11日 22時) (レス) id: ae1b37537f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風雅 | 作成日時：2019年10月2日 16時
