月夜に輝く君の瞳 (ページ35)

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貴方と初校長　初校長side ページ35

僕は君の存在を知った時、アリスでしか見ていなかった。

君のその稀有で有能なアリスにひかれた。

『コピーのアリス』ただそれだけだったら珍しくないが

一度見たアリスは一生忘れないなんて

そんな素晴らしいことがあるのかと思った。

だから、嫌がる君を無理矢理学園に連れてきた。

しかし、粗末に扱うことはなかった。

君好みの服,食事,家具,なんだって揃えてみせた。

ちゃんとクラスにも通わせて友達を作ることも許した。

唯一許さなかった事といえば、アリスを使うことだ。

白猫の制御面を常につけさせアリスが使えないようにした。

勝手に命をけずられていざというとき使い物にならないのでは困るからだ。

後１年もすれば任務を……そう考えていた。

いきなり連れてきたものだから反抗するかと思ったが、

君は、僕に対する不満などは全く言わなかった。

嫌、本当に何もしゃべらなかったのだ。

すぐに逃げ出すかとも思っていたがそんな様子もない。

不審な行動といえば、目をはなしてるうちに

学園の塀の周りをよく歩いてたことだ。

初校長「ダメじゃないか勝手にいなくなっちゃ

　君は、僕だけの子猫なんだから」

貴方「……」ｺｸﾝ

そう、君は僕だけの子猫

僕に魅入られてしまった故に学園をでることができなくなった可哀想な子

絶対に君だけははなさない。

まだ子供だからだろうかどんどん僕好みの子猫になっていく

僕は、仮面の下で君がどんな顔をしているかなんて想像したこともなかった。
　

あれは、夏の暑い日のことだった。

部下「Aが逃げました」

初校長「何⁉」

驚いて手に持っていたティーカップを落として割ってしまった。

割った破片が手に飛んで血がでてきた。

部下「大丈夫ですか！？」

初校長「あぁこれくらい平気だ」

そうか……やたら学園の塀をみてたのは逃げる方法を考えていたのか

Aには、途中で逃げられたりしないように優しく接してきた。

しかしそれが裏目にでてしまった。

初校長(今度は逃げ出そうなんて思えないように体に教え込ましてやろう)