４５話 ※暴力表現有り ページ47
ニヤニヤ笑いで話す兄さん二人。他人から見ればイケメンの部類に入るだろうその笑いは、私にとって恐怖の対象にしかならない。
お「あのさぁ、俺ら話しかけてるわけ。何とか言えよ！」
『！ウグッ……』
お腹を蹴られた。後ろのフェンスがミシリ、と音をたててしなる。私の体は力が抜け、そのままズルズルとフェンスの下に落ちていった。
『グッ……ゲホッゲホッ！！……ハァ、ハァ、変わって、ない……』
お「それはお前も、な！チョ〜ロちゃん、パース！」
チ「はぁ！？いや、触りたく無いんだけど！」
サッカーボールのように蹴られる。そのとき、カシャン、とズボンのポケットからスマホが落ちた。ヤバい！
蹴られて痛む腕を必死に伸ばして掴もうとした。でも、私のスマホを掴んだのは、私の上から伸びた手。その袖の色は緑。
チ「へぇ、スマホ持ってたんだ」
『かえ、して！』
今にも吐きそうになる。お腹が凄いギュルギュルなって気持ち悪い。蹴られた腕は血が出たのか、白いカーディガンを赤黒く染めている。また買い直しか、お気に入りだったのに。
お「スマホの中見れねぇの？」
チ「……パスワードかかってるけど」
お「えぇ〜！！つまんねぇの！」
なに人のスマホ見ようとしてんだ。ほふく前進のように這いずって兄さんたちの足元に近づく。
『早く、返せ……！』
気持ち悪いお腹から声を絞り出した。私に向けられる目線は変わらない。
お「分かった分かった。返してやるよ。でも……」
『まさか、やめ……！』
お「こうしてな？」
そう言うと同時に地面に私のスマホを叩きつけた。路地裏といえど、地面はコンクリート。あっけなく画面にはヒビが入り、どこの部品か分からない破片が宙を舞った。
お「ほら、返しただろ？」
……私は無言でスマホだったものに手を伸ばす。見る限り、内部には損傷は入って無い。つまりこの破片は画面や外側の色とかだろう。
アン○ロイド強し。カバーも付けてて良かった。
ふと後ろからの目線に気付く。まだやりたりないのか兄さんたち。そういえば引っ越して一ヶ月ぐらい経つか。
ジリジリと近寄ってくる兄さん二人。距離を取るため後ろに後ずさる。そしてフェンスにぶつかった。
スマホは使えないと思ったのか、もう兄さんたちは残骸に目をつけなかった。
『誰か、助け、て……』
涙で視界がぼやける。見えるのは赤と緑と外の光。その時、外の光が変形した。兄さんたちじゃない影が二つ。大きい影と小さい影。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 960人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆき(プロフ) - 続きがとても気になるので,友達申請させていただきました！だ (2019年5月7日 19時) (
レス) id: 741d7c394d (このIDを非表示/違反報告)
ムギ(プロフ) - 続きが気になるので、友達申請させて頂きました！ (2019年5月1日 4時) (レス) id: 40229cd54e (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - この小説面白〜いです！友達申請させてもらってもいいですか(^^) (2019年4月8日 12時) (レス) id: 7e2f4c64ce (このIDを非表示/違反報告)
七香(プロフ) - 続きが気になるので友達申請させていただきます！ (2019年4月1日 13時) (レス) id: 35bfb76efc (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - すごく続きが気になります！なので友達申請させて頂きました！ (2019年3月19日 23時) (レス) id: b0e1119457 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：三鈴 | 作成日時：2017年8月25日 18時
