３５話 ページ37
そんなこんなで時間はあっという間に過ぎていき、気付けば午後５時を知らせる音楽が辺りに響いていた。
そ「そろそろ帰るか。あ、ライン教えて。動画貰わないと」
ま「僕も良いですか？」
『！ ぜひお願いします！』
家族以外で増えた連絡先。口角が上がっていくのが分かる。多分私の顔はユルユルに緩んでいると思う。
玄関から２人の姿が見えなくなるまで手を振り続けた。次第に点になり、見えなくなった。
空を見ると、私の心を写すように綺麗な夕焼けがどこまでも広がっていた。
トド松side
僕は思う。何が正しくて、何が悪いのか。自分のやってたことが正義なのか悪なのか。間違ってるのは誰なのか。
兄さんたちが眠ったころ、僕は１人布団から出た。そして１階の居間の押し入れを開ける。少し探せば僕の探していたのはすぐに見つかった。
ト「あった、僕らの…」
それを開くと一番最初に目に入ったのは家族写真。僕らが高校１年、Aが中学２年の時だったはず。
十四松兄さん、この時は普通だったな。卒業直後の春休みだったし。この数日後に……うん、止めよう。
春休み中、僕ら六つ子はイメージカラーを決めた。たまたま母さんが買ってきたパーカーが６色だったってのもある。
お「俺さ〜、思うんだよね。俺ら６人見た目だけ似てるからイジメられる。だからさ、１人ずつ色決めてさ、その色に似合う奴になりゃ良いんじゃね？」
中学はイジメられてた。高校でもそうなるって思ってた。そうならなかったのは、おそ松兄さんのこの提案があったから。
お「まずは俺〜。やっぱ赤だな！なんたって長男だし？１番と言えば赤だろ？」
赤い松パーカーを掴んでヒラヒラさせるおそ松兄さん。
カ「僕は……。俺は青！空みたいな広い心を持った人になりたいからな！」
青い松パーカーをギュッと抱きしめるカラ松兄さん。
チ「んー、じゃあ緑かな。赤、青ってくればね」
緑の松パーカーを見てふっと笑うチョロ松兄さん。
一「じゃあ、紫」
紫の松パーカーを片手で掴む一松兄さん。
十「むむむ……じゃあ僕は黄色！」
黄色の松パーカーを持ってグルグル回る十四松兄さん。思えばこの時から変化は始まってたかも。
そして僕は余った桃色の松パーカーを手に取った。男が桃色なんて、そう思ってた。今考えれば、僕がこの色を好きになったのはAの言葉があったからなのに。
アルバムを閉じると涙が零れた。止めようとはしなかった。
一「……何泣いてんの」
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ゆき(プロフ) - 続きがとても気になるので,友達申請させていただきました！だ (2019年5月7日 19時) (
レス) id: 741d7c394d (このIDを非表示/違反報告)
ムギ(プロフ) - 続きが気になるので、友達申請させて頂きました！ (2019年5月1日 4時) (レス) id: 40229cd54e (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - この小説面白〜いです！友達申請させてもらってもいいですか(^^) (2019年4月8日 12時) (レス) id: 7e2f4c64ce (このIDを非表示/違反報告)
七香(プロフ) - 続きが気になるので友達申請させていただきます！ (2019年4月1日 13時) (レス) id: 35bfb76efc (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - すごく続きが気になります！なので友達申請させて頂きました！ (2019年3月19日 23時) (レス) id: b0e1119457 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三鈴 | 作成日時：2017年8月25日 18時
