お約束その29 ページ30
ASide
あれから数日、まだお母さんは目を覚ましていない。
明るくて元気だった由奈の口数はないに等しい。
A「お母さん。ねぇ、起きてよ…」
たちの周りは暗い雰囲気に包まれている。
由奈「…お姉ちゃん。お母さん、このまま起きなかったらどうしよう…」
涙ながらに訴える由奈。
いつもは優しく宥める余裕があるのに、
今はどうしてもお母さんに対するネガティブな思考をしたくなかった。
A「っやめてよ由奈!なんでそんなこと言うの?あんたがっ、由奈がそんなこと言うからお母さんも起きてくれないのよ!」
違う、私が言いたいのはこれじゃない。
A「っだいたい、由奈が遊びたいだなんて言わなければこんなことになってないかもしれなかったのに!もう、もう二度とそんなこと言わないで!」
口をひらけば八つ当たりばかり、
私は自分の感情さえ制御できないらしい。
由奈「あ、ごめ、、ごめんなさいっ、、」
…それからまた数日、由奈は全く部屋から出てきてくれなくなってしまった。
庭の草木は荒れ放題で家に活気は無くなっている。
そんな私たちの感情に比例するように外は曇天で、
この世の全てが暗く閉ざされているようだった。
ーーーーーーーーー
母Side
暗く深い水の底にいるかのようにまるで体の自由が効かない。
「A、由奈、」
何度も愛する娘の名前を読んでも届かない。
何度も何度もそれの繰り返し、このまま終わってしまうのか。
そんな時に、聞き慣れた娘の心の叫びのような、怒りの声が聞こえてきた。
(A、っ私はなんでっ、こんな時に何もできないの、、お願いだから、お願いだからっ、)
「A!由奈!2人に、もう一度、会いたいっ!」
暗い世界に一筋の光が刺したように見えた。
その光に導かれるように私の体は浮遊していく。
体を支配する重い鉛がどんどんと外れていくようだった。
突然真っ白に輝く光に包まれた。
あまりの眩しさに目を瞑る。
数秒ほどでその光は消え、私の目の前には
あれほどに会いたいと懇願した、愛する娘の姿があった。
「A、、由奈、ただいま、、」
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ME?NOu(プロフ) - 夢女子S氏さん» ありがとうございます!これから頑張って更新していきます! (2021年6月26日 17時) (レス) id: 7a12ef5430 (このIDを非表示/違反報告)
夢女子S氏(プロフ) - 続きがめっちゃくちゃ楽しみです!!!これからも、頑張ってください!!!! (2021年6月1日 18時) (レス) id: 355241a2ce (このIDを非表示/違反報告)
ME?NOu(プロフ) - 麗さん» ご指摘ありがとうございます!かっこつけてカタカナ表記にしたら誤字が結構あったので修正しました。 (2021年5月18日 22時) (レス) id: eb1a4b1abd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページ 消ス事ガデル とありますが デキル ではないでしょうか? (2021年5月18日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MEーNOu | 作成日時:2021年1月27日 18時