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「A氏」
振り向くといつになく真剣な表情をしている先輩がいる。
心なしか、瞳にハート型のハイライトが。
なんだなんだ。
まさか告白かっ！？3年目にして遂に！か！？
口元をキュッと結び身構える。
さあ、言って！
Aちゃん大好きって！
「…なんでもない」
『なんでもないのかい！！ドキドキ返せ！』
勢いに任せて部屋を飛び出す。
勝手に期待した私が悪い。
それは重々わかっていたけれどあんな真面目な顔しておいて「なんでもない」とか、期待した私が大馬鹿みたいじゃないか。
まあ名前呼ばれただけで告白を想起するなんて愚か以外の何でもないけれど。
…去り際に変なこと叫んじゃったし、次会うのがどこか気まずい気がした。
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作者名：Matyu | 作成日時：2023年9月19日 21時
