十五説。 ページ17
西「自分なりの言葉で、自由に答えてね」
『はい、わかりました』
先生は俺と向かい合った形を取り、バインダーに挟んだ紙に記録していく。
しっかり答えられるか不安だったが、先生の配慮のおかげでなんとかなりそうだ。
西「答えたくなかったら答えなくてもいいからね。
じゃあ早速…アバウトに聞くけど、A君の考える“恋”って何？」
『こ、恋、ですか…？』
目が点になった。
あまりにもアバウトすぎて、拍子抜けした。
西「うん。具体的な体験でも、内容でも、形、色、イメージしたもの何でも！
思いついたことを答えてくれると嬉しいな」
『う〜ん…えっと、やっぱりイメージはピンクで、ふわっとしてる感じで…』
西「うんうん」
『それから、恋ってどちらかというと、一方的な想いっていうイメージがあって』
西「うんうん」
『好きな人に、すっごい好きだって気持ちが溢れたり、誰かと笑い合ってるの見て焦ったりイライラしたり、好きになって良かったなって安心したり』
西「ふむ……」
『だから、イメージでいうと天気みたいな、すっごく変化する自由な感じ、です』
話ながら、とても拙い自分の語彙力に泣けてくる。
西村先生は笑顔でペンを走らせ、時々相槌を打って笑ってくれた。
西「A君は、恋をしているのかな？」
『へっ！？///あ、えっと、まぁ、はい…』
西「なるほど…じゃあ次、同性愛についてどう思う？」
『！！えっと…』
まさか自分が同性愛者です、なんて言えるわけないしなあ。
ここは思うことだけ言えばいいか。
『好きになった人が、偶々男の人だっただけだと思います。
だから、別にそういう形があってもいいんじゃないかと』
西「男の人、ね…僕は男性同士、とは言ってないよ？」
『へ…あ、すみませ「A君はもしかして、同性愛者なのかな？」…っ！！』
ペンを止め、こちらを見据える双眼が俺を捕える。
全てを見透かされているみたいで、少し怖い。
『お、俺は…』
西「次の質問、そういう人たちが集まる店を知っているかい？」
ヒュッと、心臓が締め付けられる気がした。
同時に、頭の中で警報が鳴る。
汗が溢れるように出る感覚で気持ち悪い。
西村先生は構わず続けた。
「そういうところに、行ったことがあるね？」
『な、何言って…』
先生はバインダーを机に置き、ゆっくりとこちらに寄った。
そして唇が弧を描いた。
「だって、君を見たことがあるもの」
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ごまめんま。(プロフ) - りらちむさん» 読んでいただきありがとうございます(*^^*)作者の好みで切甘に寄りがちです（笑） こんな感じですが、これからもよろしくお願いします( ;∀;) (2019年8月18日 19時) (
レス) id: 21ddb629a5 (このIDを非表示/違反報告)
りらちむ(プロフ) - やばい、ふつうに泣きそうになりました。最高です。 (2019年8月18日 2時) (レス) id: 75c68e6b22 (このIDを非表示/違反報告)
ごまめんま。(プロフ) - いおりさん» 温かいお言葉、ありがとうございます(´;ω;｀)頑張って語彙力伸ばしつつ更新に努めます('◇')ゞ (2019年6月23日 16時) (レス) id: 21ddb629a5 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - とても面白かったです。お忙しいとは、思いますが更新、頑張ってください。これからも応援しています (2019年6月22日 23時) (レス) id: 72842f6fe9 (このIDを非表示/違反報告)
ごまめんま。(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ確認して参ります (2019年6月21日 7時) (レス) id: dd15d2a8cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ごまめんま。 | 作成日時：2019年6月20日 17時
