黒猫さん〜お待ちなさい〜ちょぉっと〜落とし物〜♪ ページ9
椿「…ゆびわ…？」
私は指輪を拾い手のひらに乗せる。
夜「…けっこ…高そうっすね……」
…あの黒猫が持ってきたとしか考えられないけど……誰かの落とし物？
そうぼんやりと考えていると、その金の指輪を落とした黒猫は、何かを達成したかのように去っていく。
椿「…あ、ちょっと…！」
手を伸ばすが、黒猫はもういない。
椿「…どうしよう…
…交番に行くにも、この体力じゃあ…持たないし…」
私は手のひらの指輪をまじまじと見る。
…てか、腕あげとくのしんど。
夜「…だったら…
付けてみるなんて…どうでしょうか？」
私は夜鴉の提案に目を見開いて、すぐに伏せた。
椿「…バカ言え。人の落とし物よ…？」
夜「まぁまぁ……良いじゃないっすか。
生涯、こんな素敵な指輪…付ける機会なんて、早々ないっすよ」
夜鴉は口の端に血がついた顔で優しく笑った。
椿「…誰かの…結婚指輪…だったら、どうすんの…」
夜「…ははっ…それはそれで…良いんじゃないすか…？
今は…だれも、見てませんし…。
…まぁ、この場合……付けるのはお嬢、なんですが……オレはもう、腕上がんないし……グッ…！」
夜鴉はそう言ってから強く咳き込き血を吐く。
…口が切れて、血が気管に入ったのか。
夜「…えーと…なん、でしたっけ？………あーそうそう…
…『俺が、あなたを幸せにします。俺が、あなたを守ります。俺と結婚して下さい』」
夜鴉は私の方を向き、息切れなしでそんな愛の告白を告げた。
椿「…は？」
夜「ひどいっ…すねぇ……ちょっと雰囲気、出しただけじゃ、ないっすか……」
夜鴉はドッキリを成功させた子供のような無邪気な笑顔で笑う。
…けど、それが最後の力だったようで、「…オレが…付けたかった……なぁ……」という言葉と共に、私の肩に倒れかかり寝てしまった。
…よっぽど疲れてたんだなぁ…
こんな怪我じゃ、あと数分で二人とも御陀仏になる。いや、それよりも組員に見つかって殺されるのが先か。
椿「…あーぁ…
…こんな事になるんなら、もうちょっと推しグッズ買っとけば良かったなぁ……。
早くサツにも言えば良かった……まぁ、私みたいなやつにはお似合い…かな？」
椿「……__。
…なんてね」
私は意識を失った夜鴉と腕組みをし、そのまま指輪に金の指輪をはめた。
…その途端、意識が遠退くのを感じた。
私の人生、これで終了______
___だと、思っていた。
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布教する猫(プロフ) - 橋本アリィさんありがとうございます！コメント返し遅れましたすみません！！m(_ _)m (2022年12月24日 12時) (
レス) id: 0899319726 (このIDを非表示/違反報告)
布教する猫(プロフ) - 楓さんコメント返し遅れてすみません！ありがとうございます！！m(_ _)m (2022年7月6日 12時) (レス) id: 0899319726 (このIDを非表示/違反報告)
忍狼 - 布教する猫さん» こちらこそごめんね!頑張っててね!応援するね! (2022年6月11日 23時) (レス) id: aba775bb80 (このIDを非表示/違反報告)
布教する猫(プロフ) - すみません！m(_ _)m (2022年6月11日 22時) (レス) id: 0899319726 (このIDを非表示/違反報告)
布教する猫(プロフ) - せっかくのお誘いありがたいのですが、実は今他の人と合作の約束をしてて、出来そうにないんですよ… (2022年6月11日 22時) (レス) id: 0899319726 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：布教する猫 | 作者ホームページ：nhatev-hdfs yue1
作成日時：2022年5月9日 21時
