エピソード5 ページ33
彼は無言で読み進めていく。
静かな部屋に、暫く
少し気まずい雰囲気を脱する
ヴィ「…読み終わったわ。
…この絵本、絵柄がとてもキレイね……物語も面白いわ」
「で、ですよね!」
彼の褒め言葉に私は深く同意し、首を強く縦に振る。
「…まだ
流石に文字は読めなくて、どんな物語なのかは判りませんでしたが……描かれてる絵だけを何回も何回も見返しました。
綺麗な髪に、綺麗な服に、美味しそうな食事に、ふかふかの寝具……泥にまみれ、明日の食い縁も生きていけるも知らない私にとって、其れは雲の上の生活でした。
それで、"私も将来はこんな素敵な人になりたい"と強く思い、その夢に近づけるよう、自分でも出来るような事から始めました」
背筋を伸ばし、ボサボサな髪なるべく整え、出来るだけ人に優しくし…。
本当に少しだが、少しずつ近づけるように。
「
ある程度文字を読めるようになった時は、他の小説もたくさん読んで、より博識になろうともして!
…そうして、今の私がいるんです。
…全ては、あの時の感動を、忘れない為に」
何時の間にか、私は前のめりになってヴィルさんへ話しかけていた。
そう言えば、あの頃は敬語が難しくて、良く間違えたりしたなぁ……。
ヴィ「そうだったのね…」
ヴィルさんは優しそうな笑顔を浮かべる。
ヴィ「…もしかして、アナタの銃の腕が上手いというのは、その"憧れ"に関係しているのかしら?」
「はい!
…って言っても、絵本のお姫様の方では無く、拾ってくれた
あの方は悪い人をやっつける仕事をしていて、その仕事で使われているのが拳銃なんです。
スッゴい腕前なんですよ!私なんて屁でもないくらい!もう兎に角かっこよくて!」
61人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
布教する猫(プロフ) - タタリさんコメントありがとうございます…!オダサク最高!! (1月12日 22時) (レス) id: 0899319726 (このIDを非表示/違反報告)
タタリ - 夢主ちゃんとオダサクぱぱぁ、、、2人共幸せになってね、、、オダサク最高!! (1月12日 13時) (レス) id: cd26d993ce (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 恵@副垢(プロフ) - 星猫さん» えぇ....(困惑) (2022年11月20日 20時) (レス) id: 5b2f0bd76c (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 布教する猫さん» 文ストの好きなキャラは何ですか? (2021年9月18日 11時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 布教する猫さん» スラム同士で仲良くして良かったです!お気に入りしました! (2021年9月18日 10時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:布教する猫 | 作者ホームページ:nhatev-hdfs yue1
作成日時:2021年4月3日 22時