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その後、病院で治療を受けた私は、二人に念入りに謝罪と感謝を伝えた後
すぐに学校へ向かった。
谷山さんは先生方にちゃんと伝えてくれていたようで、特に何もなく授業に参加できた。
ただ、谷山さんは一日中どこか浮かない顔をしていた。
そして、放課後のこと。
「谷山さんと夜月さん、いるかな？」
なんと今朝の男性が教室の戸口から顔を出していた。
「何年生？何のご用ですか？」
クラスメイトの黒田さんがつっかる。が、男性はひるむ様子もなく、目線で私たちの方を指した。
「彼女たちと用事があって」
そんなものをした覚えはないが、今朝のことがあった以上、こちらに拒否権はない。
『行きましょう、谷山さん』
「え、あぁうん…」
普段教室で浮いている私があんなとんでもイケメンや谷山さんと一緒に約束、ということでクラスの人たちは固まってしまったようで、
ぽかんとした顔でこちらを見ている。
開いた口がふさがらない、といったような顔で見てくる中、私と谷山さんは教室を出、
男性の後ろをついて行く。
「あのう、用ってのは何でしょう、どこに行くんです？」
「旧校舎」
答えを聞き、谷山さんの顔が曇る。
というか、私はまだこの男性の名前を知らない。
『…あの、お名前は？』
「渋谷一也」
『渋谷さん…。今朝の方、大丈夫でしたか？』
「それだが」
渋谷さんは道のりの途中、体育館の前で足を止め、振り返った。
「左足を捻挫した。かなり酷い状況で、しばらく歩けない」
「それは誠にご愁傷様というか、えぇと、申し訳ありません」
その後も谷山さんは渋谷さんと話し続け、沢山のことが分かった。
今朝の事故で旧校舎に設置してあった最新型の超高感度カメラが故障、
渋谷さんは校長の依頼で旧校舎の調査に来ていたゴーストハンター、渋谷サイキックリサーチの所長で、怪我をしたリンさんは助手。
つまり私たちは学校からの以来で仕事をしに来ていた渋谷さんの助手に怪我を負わせ、
さらにとんでもなくお高いカメラを壊すというとてつもない営業妨害をしてしまったのだ。
夢ですらお目にかかったことのない値段のカメラをどうやって弁償しようと思っていたとき
心優しい(？)渋谷さんは私たちに助手の代理をするという代替案を提示してくれた。
もちろん私と谷山さんは二つ返事で引き受けた。
こうして私たちは渋谷さんの助手として働くことになった。
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作者名：あんみつ x他1人 | 作成日時：2023年3月13日 18時
