2話 ページ3
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「 おはよー 」
聖南女子高校は戸亜留市にあるごくごく普通の女子高だ。
少しだけ頭が馬鹿な人や
喧嘩上等な人がいるけど、別にそれ以外は特に変わったことは無い。
私は本当に普通のクラスで普通の生活を送っている。
それだけで昔よりはまだまだ全然マシな気がした。
「 そういえば、そろそろなんじゃない? 」
「 あーそうだねAが言ってたヤツ 」
この2人は私のお友達のサヤカとセナ
高校に入って始めて話しかけてくれたのがこの2人だった。
「 なんか言ったけ? 」
サヤカ「 えー!言ってたよ??兄貴と会うって 」
「 あぁ 」
セナ「 私は別に無理して会わなくてもいいと思うけど 」
「 ・・・・・うん 」
5歳の頃生き別れた兄弟にどうしても会いたかったから、お母さんにお願いをして明日久しぶりに兄に会う。
でも実際その場が近づくと怖い思いや、色々と後ろめたさが増えてくる。
セナ「 何年ぶり? 」
「 5歳の時からだからもう10とかそれぐらいは会ってない
」
サヤカ「 ま、会いたい時に会えればいいのにね 」
私もそういう方が良かった、
別れの言葉さえ言えずにそのまま別れてしまったからその言葉だけでも言いに行こう
そう思った矢先だった。
「 A!・・・・・ごめん、お兄ちゃんに会えなくなったわ 」
そうだ・・・・・、忘れてた───────。
私のお母さんは約束を守らない人だった。
「 あはは・・・・笑、じゃあしょうがないや 」
「 じゃあお母さん仕事行ってくるー 」
お母さんには感謝してる。
女手一つであの意味わからない団地で育ててくれたからだ。
大変だったと思う。
私も毎日朝方帰ってくる窶れたお母さんを見て頑張らないとって思っていた。
まだまだ、お兄ちゃんには会えなさそうだな。
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作者名:見鬼 | 作成日時:2023年8月21日 18時