【歌い手】ゲーマーなツンデレ彼女と優甘彼氏【浦島坂田船】

[103]緊急事態 ページ3

あれから数日。

まるであの日が嘘だったかのように平穏な日が続いた。

が、


『うーーーん、痣、まだ残ってる…！！』


あの日思い切り打ち付けた足には大きめの痣。
治りかけで少し黄色くなってきている。

長い丈のもの着ればって思うじゃん？残念。

ただでさえ丈長いボトムス持ってる数少ないのにこの前まとめて洗っちゃった。(呆れ


京「ほんとだ。なかなかしぶといねぇ…w」

『笑いごとじゃないよ！今日はまーしぃとお出かけなのに…』


何か勘付かれたら…いや、むしろ気付いてほしい、なんて思ってしまう。

巻き込んではいけないと分かりつつも、彼なら助けてくれるんじゃないかと思ってしまう。

結局今日も、膝上のスカート。

可愛いって言ってもらえるかなぁ…。


『じゃあ行ってくるねー』

京「ん。気をつけてな」


少し早めに家を出て、待ち合わせ場所近くのコスメでも見てよーっと。

なんて、マンションの裏口から出て曲がると。



『うっそ…』


少し離れたところに見えたのはあの女。

なにより1番驚いたのは、それと一緒に腕を組んで歩いていた男。

父親だ。


咄嗟にわたしは電柱に身を隠し、スマホを開いてお兄にメッセージを送る。


A緊急事態発生
Aたぶん父さんとあの女が家に向かってる。
KsKは?どういうこと?
A角曲がったら見かけちゃった…エントランス向かって歩いてた!
A戻った方がいいよね?
KsKいや、いいよ。
KsKだって今日はせっかくのデートでしょ?
A早めに家出たし時間ならあるから大丈夫
KsK何バカ何言ってんの?
KsKいいから早く行きなね?
A何があるか分からないし一旦戻る



最後に送ったメッセージに既読はつかなかった。

念のためまーしぃにも遅れるかもって言っておかなくちゃ。


Aごめんね、ちょっと色々あってバタバタしてる…
Aたぶん遅れるからゆっくり準備してて?


そう送ると一瞬で既読がつき、"OK！"と可愛らしいスタンプが送られてきた。

"また連絡する"とだけ返信してわたしは家へ急いで戻った。

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