新人さんは色彩を失った少女3【カレコレ屋】

六十七話：照れ ページ19

雫視点

ヒサ「めんどくさい性格してるよね。」

ヒサ姉の言葉にシディ兄が頷いた。

シデ「それがカゲチヨの良いころだ。」

ヒサメが一番わかってるだろう？と付け足す。
すると、照れているのかヒサ姉が焦ったように反論した。

ヒサ「はぁ！？私はそんな事ッ…！！」

聞こえているが、聞いていないのであろう、ヒサ姉のそれを流し私の方を向いた。

シデ「雫は来るか？」

『勿論。まぁた置いて行かれるのは勘弁だよ。』

悟られないよう、元気なフリをする。
少し眉を下げたのが伺えたが、気にしないことにした。

シデ「…わかった、そしたらボティスも来るんだぞ。」

ボテ「なんでじゃ！？」

シデ「一人より皆と行く方が楽しいだろ。」

優しく笑って見せる。

ボテ「嫌じゃ！！」

それに対して心底嫌だという顔を向けながら首を振った。

ボテ「ワシは一人の方が楽しいんじゃ！！皆の方が楽しいという押しつけをするな！！」

んーと少し首をひねってシディ兄が返した。

シデ「だが俺はボティスと一緒の方が楽しいぞ？」

その言葉に恥ずかしそうにボティスちゃんが唸る。

相変わらず人(？)たらしだよなぁ、とその光景をただ見つめた。

シディ兄に何を言っても無駄だということを理解したのか、今度は「お前のせいだ」と言わんばかりにこちらを三つ目で睨らんだ。

特に怖くはないので、ベッと舌を出すと怒ったように顔を顰めた。

からかいがいがあるよな…なんて思っていると、見透かしたように「今変なこと考えたじゃろ！」とお叱りを受ける。

なんだか面白くて失笑すると、また怒られてしまった。


あぁ、長くなりそうだ。


無意識に口角を上げてしまう自分がいた。

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