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第2話・・・ ページ3

「ねぇ、シルク」
甘い声でシルクを呼ぶA。ベットの中、二人。行為のあと。お互いが罪悪感を背負いながらこの関係を続けるのには矢張り、お互いに何か理由があった。
「なに」
冷たく返事をするシルク。いつもとは大違いで愛想の欠片もなかった。ただこの会話こそが二人の望むものだったのかもしれない。
「私の事好き?」
マサイに向かっていつも言うセリフをシルクにも言った。シルクはちらっとAを見てから吐き捨てるように、ぞんざいに返事をした。
「好きだ」

この関係が成されたのは約7ヶ月前。ストレスを抱える二人がそのストレスの最骨頂に達したのがちょうどその頃だった。



良かった、と微笑む。シルクはそんなAを見て口元が緩んだ。
「最近、マサイとはどうなの」
そう聞きながら体を起こす。Aも同じく体を起こした。着替えながら答える。
「上手くやれてる」
「そうか」
悲しそうに呟くシルク。
「苦しくなったら言えよ。俺はもう限界だ」
深く帽子をかぶる。するとAも帽子を被って頷いた。
「分かってる」
その後のふたりは同時にホテルを出発してから買い物に出かけた。大きなショッピングモールから出てきた二人が抱えているのはプレゼント用に包装された紙袋だった。

互いの恋人のための(・・・・・・・・・)

「シルク。最近、美琴さんとは連絡とってるの」
美琴というのはシルクの恋人で、1歳上の会社で働く、女性だ。
「いや」
シルクはそうやって短く答えると手に持っていた缶コーヒーの空き缶をダストシュートに投げ入れた。
「別れるなら別れなよ」
Aがそう言うとシルクは悲しそうな顔をした。それに気がついてハッとする。
「そしたら俺、これからどうすればいい?」
Aは俯く。
「ごめん・・・」
「いや、俺が全部悪いんだから謝らないで」
「でも」
「今日は帰ろう。また、連絡する」
強引に話を切り上げると、シルクは駅の方に向かって歩いていった。後ろ姿は矢張り悲しげでAは目を背けた。

この関係が続くようになって、7ヶ月。シルクはAを愛し、Aもシルクを愛していた。そしてそれと同時にマサイはAを愛し、Aもマサイを愛していた。許されること、許されないこと、の問題ではなかった。そうした(・・・・)のであった。それは均等の幸せを得られる最高の選択だった。

しかし、満たされた感覚は、無い。

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のんのん - 作者様お願いします。早く更新してください! (2019年5月13日 3時) (レス) id: 37d0aedc72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2018年4月21日 23時

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