【ハイキュー】息をしながら死んでいる。

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時が経つのは早いもので、私が烏野に入学してから2ヶ月が経っていた。


中間試験も5月に終わって、帰宅部の友達たちと放課後に色んなところへ出かけることも多くて、私が望んでいた青春とやらが過ごせているような気がする。


だけどやっぱり自分が普通に生きていることへの気持ち悪さは消えなかった。


だからといってバレーの試合を見ることも、ボールに触ることもなかった。


私は一体どんな矛盾の塊なんだろう。



｢そういえばさ、うちの男バレって強かったんだね｣
｢え？｣
｢IH予選で割といいとこまで言ったんだって｣


そんなことを考えていたお昼休み。
友達たちに振られた急な話に私は大袈裟なほどにびっくりしてしまった。


そんな私の様子も気にしないでみんなはどんどん男バレの話をしていく。


｢うちのクラス男バレいないから知らなかったなぁ｣
｢隣のクラスにすごいイケメンでレギュラーの子がいるんだって｣
｢マネでもやればよかったね〜｣


友達たちは私にお構い無しにどんどん話を広げている。


｢Aは何か知らない？｣
｢え？なんのこと｣
｢だから男バレのこと！｣


みんなは私が中学までバレー部だったことは知らないし、今はうちの男バレに夢中みたいだ。


｢昔は強いんじゃなかったっけ？｣
｢そうなんだ。知らなかったなぁ｣


いつだったかは忘れたけど、一度はあの白鳥沢を倒して春高本選に出場していた年もあったはず。

最近では名前も聞かなくなったけど、また部員を集め始めたのかも。


でもまぁ。


私には縁遠いし。


何よりも絶対に関わらない話だ。





こんなことを思っていた私が、この後うちの男バレに関わることになるなんて話は。


このときの私は知る由もなかったのだ。

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