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ただひたすら自らを呪った。

夜兎の男は無表情のまま銃を乱射した。
その度に颯天はその銃弾より早く走りそれを斬り落とした。

「あーあ。
つまらないな。
ああ、本当につまんない。」

引き金を打つ指は動かしながら、男は「よいしょ」と胡座をかき頬杖をついた。
今日買ってもらった玩具にもう飽きてしまった子供のような表情だ。

警戒心のない彼を狙って、颯天はすぐに一撃をくれてやろうと男に走る。しかし、次の銃弾がまた生徒達に迫っていたことに気づき悔しそうに銃弾に向かう。

誰が見ても分かるほどに颯天の体力は削られていた。
少しずつ、少しずつ、銃弾に追いつくのがギリギリになって行く。

「そんな目で見ないでよ。
俺だってこんなことはしたくないんだ。
でもね…………


守りに意識を捕われて、本気じゃないやつと戦うなんてもっと嫌だね♪」

その言葉とともにもう1発銃弾を放つと、颯天はとうとう膝を着いた。
手を精一杯伸ばし、何とか斬り落としてから。

「残念。終わりか。」

男は何処からか取り出した無線のようなものを耳に当てながら、散歩でもするように軽やかに疾風の方へ足を進めた。

「もしもしー?
あぶとーーー?
あのクソジジィ共に終わったって………」

パン

「残念………まだ終わってなかった」

しんと静まりかえったホールに再び銃声がして、無線がバチバチと盛大に音を立てた。

「どっかの黄色いタコ先生が言ってなかったっけ?
第2の刃を持てとか何とか。」

「へぇ、まさか君こ〇せんせーの生徒かな?
それとも3代目の死神?」

颯天は疲れて動けないと見せかけて、最終手段である拳銃を男に向けたのだ。結果的に避けられてしまって、無線を壊すことしか成果は挙げられなかったが。

「でも災難だったね。
当てていても銃弾1発程度じゃ俺は殺れないし、ここにジジィ達が来れば俺は戦いづらくなったかもしれないけど、無線、壊れちゃったし。」

「最初から当たればラッキーレベルだったさ。
倒れるまでは演技だったにしろ体力が大分削られてるのは事実なんでね。命中させるのは腕の力的にも厳しいってことぐらい分かってた。」

生徒達はもう既に思考停止していて、失神している者も少なくない。
完全に2人だけの空間が展開されていた。

「時間稼ぎだよ。
そろそろ黒い犬が必死こいて登場する頃だw」

「ふーん。
でも間に合うかな♪」

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作者名:霜夜 椿 | 作成日時:2018年6月14日 6時

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