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「え、今日出席してたの！？」
「あ、えーっと、その………。
朝から学校に来てはいたんですけど、その、なかなか教室に入るのが…難しくて…………。」
俯いて自信なさげにそう言えば、土田は優しく笑って颯天の頭を撫でた。
「………そっかそっか。
誰だってそういうことはある。
颯天のペースでいい、キツかったら保健室か職員室に逃げ込んでも良いからな？」
きっと社会から見る理想の教師は、こういう人物のことなのだろう。生徒達、そしてその保護者たちに好かれる訳だ、内心そんなことを思いながら、颯天はほっとしたような表情で頷いた。
「そう言えば先生は何しにここへ？」
「ああ、備品を取りに来たんだよ」
「そうだったんですか。
でも見た感じ何もないようですが………。」
その言葉に土田は辺りを見渡して唸った。
「確かにここって言われたんだけど………もう1階聞いてこようかなー」
土田のその言葉を聞いた瞬間、颯天の身体に電撃のような悪寒が走った。備品をここに取りに行くように指示された!?わざわざここと指定して。
「指示したの………理事長ですか!?」
「え？うん。そうだよ。
よく分かったねー。」
何故？ここに来るまで、生徒には会ったものの監視カメラには映らなかったはずだ。死角をついてここまでやって来た、それは確かだ。
理事長が颯天と会った生徒と話をしたのか？いや、盗聴をしていた限り、今日は理事長室から出ていなかった。何故だ。
キラリ
何かが土田の胸元で光った。土田にどう見られようが、今は関係ない。血走った目でそれを見つめる。
「……超小型カメラ…………」
「え？カメラ？」
颯天はすぐさま走り出した。きっと土田には颯天が目の前からぱっと消えたように映っただろう。けれど今は構っていられなかった。
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作者名：霜夜 椿 | 作成日時：2018年6月14日 6時
