無表情な女の子が本当は表情豊かかもしれない件について。 (ページ31)

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「久しぶり、神楽ちゃん。
といっても、一昨日も遊んだっけw」

「一昨日なんて昨日の昨日アル！
十分久しぶりヨ！」

あくまで護衛。
颯天は二人からは数メートルほど離れた位置に立っていた。周りに警戒の目を向けているわけでもなく、ただ愉快そうに景色を眺め、暇潰し程度に指を動かす。完全に平穏な町並みに溶け込んでしまっていた。

「あ、そうだ！
こちら颯天ちゃん。私の護衛さんなんだけど、年齢も近いし、どうせ一緒にいるなら遊ばなきゃ損って思って」

「おー！よろしくネ！
私は神楽アル。歌舞伎町の女王で、万事屋の」

「看板娘・・・ってところかな？
銀時から話は聞いてるよ。よろしくね。」

神楽の言葉に被せるようにそういって微笑む颯天は、老若男女が赤面してしまいそうなほど美しかった。
女らしく身なりを整え、女らしく振る舞って、どこからどうみても女なのだが、なんとなく滲み出る雰囲気が上品な貴族の子息を思わせる。

「・・・いけめんアルな！」

しかし、神楽から放たれた次の言葉は予想外なものだった。あまりにも素直で子供らしいその反応に、そよは驚きが隠せない。

「てゆうか、銀ちゃんと知り合いアルか!?
こんないけめんと友達なんて、あのもじゃもじゃ、なかなかやるアル。」

「wwそういって貰えるのはありがたいよ。
神楽ちゃんも可愛らしいね。綺麗な桃色の髪。」

最初の印象ははっきり言って最高だ。近寄りがたい雰囲気は、言葉がすべて打ち壊して、親しみやすい気さくな人物。これから友人として、より良い関係が築ける。
そよ姫や神楽にそう記憶された。