無表情な女の子が本当は表情豊かかもしれない件について。 (ページ25)

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土方の敵対心剥き出しの声とは対称的に、颯天の声は落ち着いていて、たまたま道で見かけた程度の挨拶だった。彼が病院に来た理由を知っているからかもしれない。

「あ、大串くんと・・・颯天？
まじか、お前ほんとに真選組やってんだなー。」

「お前はその手、案外深くいってたみたいだなwwざまぁみろ。日頃怠けてるせいだよw」

「お前こそ、普通警察はそれようの病院に行くんじゃねぇのか？ww
もしかして、ハブられてるぅ？」

土方を抜きにして親しげに話す様子に、土方は戸惑いを覚えた。

「万事屋と颯天・・・。
いったいどういう繋がりだよ。」

会話からして、彼らは相当親しいなかなのだろう。
颯天は江戸に来てまだ少ししか経っていない。警戒心の強い颯天がその数日で気を許せる相手を作れるわけがない。江戸に来てからの友人というわけではなさそうだ。
となると颯天の幼少の頃から。颯天の生い立ちについて知ることができるチャンスだと、土方は彼らの次の言葉を待った。

「俺らは幼馴染みみたいなものですよ。」

「みたいなもの!?
普通に幼馴染みだよね!!
て言うかむしろもう兄妹なみだよね!?」

ここが病院だということも忘れ、ナースの制止も無視して騒ぎ立てる銀時に、颯天は迷惑そうな顔をした。

「・・・もういいよ。
もう銀さん傷ついたからな！」

「はいはい。
にしても、お前があれにやられっぱなしなんざ珍しいな。殴り返しもしなかったとはねー。」

颯天は何故か感心したように腕を組んで、こくりこくりと首を揺らす。実のところ、颯天はいつまでも険悪な雰囲気の二人に嫌気がさしていた頃だった。

「お前の方こそ、まさかあれがお前に手を出すなんてな。威嚇でもしたか？ww」

「正解。子猫ちゃんの威嚇があいつには怖いみたいだよ」

「てめぇが子猫？ドンキーコングの進化系じゃなく？」

「ﾌﾞﾁｺﾛｽ」

今までに見たことのない、いたずらっぽい笑顔。話している内容は分からない。きっと14の女らしくないことを話しているんだろう。
だが土方は確かに颯天が人間で、確かに子供であることを感じた。