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「え、ちょっと。止めてください。
俺狭いところでの戦闘は苦手なんですけど」

颯天の制止に、沖田はようやく正気に戻りぱたりと床に座った。颯天も電気をつけてから沖田の向かいに胡座をかく。

「嫌味ですかィ?」

「え?」

沖田がじとりと颯天を見た。が、当の本人は何もわかっていない様子で小首を傾げた。

「俺はおまえに不利な狭い稽古場で勝負を挑んだのに負けた。
広いところで勝負していたら圧勝していた、って言いたいんじゃねぇのか?」

「いやいや、違いますよ。
だってあのとき、あなたは手加減していたでしょう?」

「は?してねぇぜィ?」

「御自分ではお気付きでなかったんですね。
あなたは俺に確かに手加減していましたよ」

沖田は訝しげに颯天を見た。例え子供であろうと強さが確かなら自分は手加減などしない、そう思っていた。相手が女であるなら、多少の気遣いはしたかもしれないが、あのときは目の前の子供が女だとは知らなかった。

「あなたは気づいていましたよ。俺が女だって」

沖田の気持ちを見透かしたように、颯天が静かに言った。

「刀を交えてすぐに、腕力的なものからでしょうか。あなたは俺が女だって気付いたんです。今まで修羅を乗り越えられてきただけありますね、体の感覚的であなたはすぐに察知した。それが脳にはいかなかったようですが。」

「だが、手加減なんざ」

「してましたよ。
分かりやすい場面ですが…あなたが私に斬りかかってきたとき、あなたが本気でそのまま刀を下ろしていたなら、俺はそこで既に苦無を取り出してあなたを怯ませなければそこから抜け出すことは出来なかったはずです。でもあのとき、容易に、とはいきませんでしたが俺は刀で弾き払う事が出来た。
これはあなたが力を入れるのを躊躇ったから。
もしあなたが本気で挑んできていたとしたら、勝負はどうなっていたんでしょうね。俺にはわかりません」

颯天がくすりと笑った。この笑顔もきっと偽りなんだろうが、それを沖田が指摘する前に部屋には仕切りをもった山崎が現れ、会話はそこで終了となった。

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沖田ファン - プロフィールの高杉晋助の漢字が違いますので、訂正お願いします。 (2019年3月2日 15時) (レス) id: a06ab380f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜夜 椿 | 作成日時:2018年4月8日 9時

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