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ガキン

「やっぱてめぇか」

角の度に左右を軽く確認しながら走った颯天は長い鬼ごっこの末沖田に追い付かれた。そして素早く刀が飛んでくる。それを身体を屈めて避けると、刀身が鋭い音をたてて壁に埋まった。

「あ、どこぞの隊長さんじゃないですか!
お久しぶりです。奇遇ですね。
この物騒なもの、どうか収めてください。」

颯天は無邪気な笑顔で話しかけた。もう彼らにはバレているのだからわざわざ笑顔を作る必要などないのだが、意識せずとも当たり前のように表情筋が動いたのだった。

「あー、仕舞ってやる。だが、これをてめぇにつけてからな」

沖田は手際よく手錠を懐からとりだし、壁から飛び出しているパイプと颯天の片足を繋げた。
颯天の最大の武器は脚だ。彼の身体には筋肉が少ない。腕は刀を振り回すのに必要な最低限の筋肉のみ。いくら最高のスキルを持っていてもても力業に持ち込まれたらひとたまりもない。
勿論、脚にだって筋肉が多くついているわけではない。だが颯天は基本その足を使って現実的に考えられないようなスピードで攻撃を仕掛ける。これが颯天の最大の強みであった。

その最大の強みが封じられた今、颯天の勝算はゼロに等しい。仮に手錠が掛けられていなかったとしても颯天の得意とする戦場は広い場所。対してここは人が二人横に並んで歩くことも到底できないような狭い路地裏。

「はぁ」

「ようやく観念しやしたか?」

「ええ。
もう一回甘味食べ放題を楽しもうかな。」

両手を上げ、大袈裟に降参の意を示して見せた颯天は沖田に連行されるままに屯所の門を潜った。

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沖田ファン - プロフィールの高杉晋助の漢字が違いますので、訂正お願いします。 (2019年3月2日 15時) (レス) id: a06ab380f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜夜 椿 | 作成日時:2018年4月8日 9時

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