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ホリデーが、ここまで待ち遠しいのは初めてだ。
柄にもなく心がざわついていた。
「レオナさん、なーにソワソワしてるっスかぁ？あ、婚約者さんに早く会いたいとか？」
ニシシッと笑うラギーの頭を一発はたいておく。うるせぇ、悪いか。
ホリデー初日。
スマホと財布だけ持ち、寮から出る。
「レオナさん、荷物いいんですか？」
「いらねーよ」
王宮の私室には、着替えも何もかも揃ってる。
ジャックの問いかけに、答えていると、荷物の塊のようになっているラギーが現れた。
「婚約者さんにお土産とかないんスか？」
土産……考えたこともなかった。
「じゃ！オレは先に行きますねー！！」
Aの手引きで、王宮の裏口から入る。正面は、兄貴や義姉さんがいるとAから連絡を受けていたからな。面倒な出迎えはいらねぇ。さっさと私室に向かい、Aを抱きしめる。
「帰った」
「…おかえりなさい、レオナ様」
翌朝、Aが着替えるからと部屋を出された。扉に寄りかかり、Aの支度が終わるのを待っていると、会いたくない人物がやって来た。
「レオナあああああぁぁぁぁぁっ！！」
「ちっ……うるせぇ…」
「帰ってきているなら、せめて顔だけでも覗かせろ！！Aから連絡がなければ、チェカなどずっと待っていたぞ！！」
心底面倒臭い顔をしていると、何故か頭を撫でられた。
「ガキ扱いすんじゃねぇよ！」
手を振り払えば、笑顔の兄貴と視線が合う。
「少し寂しい思いはあるが、私は嬉しいぞ！Aとレオナが仲睦まじく過ごしているのならそれでいい」
……呆れた。どこまで甘いんだよ。
ため息を一つ。と同時に、扉が開いた。
「レオナ様？」
「A、おはよう。いい朝だな！」
「国王様！？おはようございます！！」
……何であいつとばかり話してんだ。イラつく。
Aの肩を引き、自分の方へと抱き寄せる。
「これからデートなんだよ。邪魔すんなクソ兄貴」
「ちょ……！申し訳ありません！！」
「はははっ、それは悪いことをしてしまった。済まないレオナ。楽しんでこい」
「ふん…」
こいつとの、デートらしいデートは初めてだ。
買い物、食事、街の散策……
Aの笑顔に、今日のデートはAにとって満足いくものにできた喜びが沸き上がる。
「お前だけだ。離れるんじゃねぇぞ」
「レオナ様が離さないでいてくれるなら、私からは離れませんよ」
キスを一つ。
前よりも甘く感じるのは、愛しい想いが強くなった分だろうか？
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まいにゃん(プロフ) - Aの化身さん» コメントありがとうございます！ (2020年8月18日 21時) (
レス) id: cdb448599a (このIDを非表示/違反報告)
Aの化身(プロフ) - これは伸びる……。レオナってきっと大切な物ほど手元に置いておきたいイメージがあるから、こうやって女性へ想いを馳せる彼は何より王族らしくて格好良いなと思いました。凄く面白かったです。 (2020年8月18日 21時) (レス) id: b8de8932f8 (このIDを非表示/違反報告)
まいにゃん(プロフ) - ぱりすめんさん» コメントありがとうございます！ (2020年8月9日 6時) (レス) id: cdb448599a (このIDを非表示/違反報告)
ぱりすめん(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します！勢いで読み進めてしまいましたがまず、チェカくんの設定が性癖に刺さりまくりました、ありがとうございます。とっても面白かったです、これからも素晴らしい作品を作ることを応援しています。 (2020年8月9日 0時) (レス) id: be542bd55e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1204Sixh | 作成日時：2020年7月31日 15時
