エキシビションマッチ 5 ページ28
「本気のあなたをまた見せてちょうだい?」
私の本気………?
「サーナイト メガシンカ」
【わたしのほんき】って……ナニ?
「あれがメガシンカ………」
キバナさんの声に、はっとなる。今はバトル中だ。とにかく勝たないと……
カルネを見ると、余裕を瞳にたたえてこちらを見つめている。
『あなたの本気はこうじゃないでしょう?』
「あ……」
じわじわと5年前のあの日が脳裏に甦る。
「そうだ……」
私本来の姿はコレじゃない。
「あは、あははははははっ!!!」
ありがとう、カルネ。
「A…?」
そうだ。今の私は、私であって私じゃない。
「好きな人の前だから……隠したかったのね。私」
カルネは待っててくれた。私の覚悟が決まるまで。
「カルネ、ありがとう……」
「お礼なら、バトルの後に受け取るわ」
___
いきなりパーカーとユニフォームを脱ぎ出したAさんに、会場がどよめく。
アナウンスもバタバタで、Aさんの行動を止めようと、リーグスタッフが慌てふためいていたその時……
「A!」
アオガラスが横切り、スタジアムに立つAさんのところに、何かを届けているようだった。
「Aさんのマネージャーさん…?」
「Aーーーーっ!!やっちゃいなさーーーいっ!!!」
___
「キバナさん…」
アオガラスから届けられた、ロングコートをたなびかせ、微笑むA。
明らかに今までのAとは違う空気を纏っていた。
「私、キバナさんが大好きです。だから……」
「幻滅しないでいてくれると嬉しいです」
「リザードンっ!!!」
「「ぅおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」」
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作者名:1204Sixh | 作成日時:2020年6月23日 15時