一緒に ページ13
「……タッグバトルならどうだ?」
ふと思い立った考え。前例が無いわけではない。
「ローズさんと確認取ってくる。メロンさん、ダンデのこと、もう少しきつめに締めといてください」
「オリーブさん、ローズさんお願いします」
スタジアムの裏口で電話をかける。表側だとファンの声がうるさいからな。
ただ、返ってきた言葉に驚かされた。
『委員長でしたら、エンジンシティに向かわれました』
「え?」
「キバナくん、呼んだかな?」
『では、失礼します』
目の前で微笑む人に、呆気にとられるが、本題を話さないと先に進まない。
「Aのことなんですが…」
「ルリナくんから聞きました。チャンピオンの行動にも驚かされましたが……」
「それで、提案なんですけど」
Aの了承はこれからだが、エキシビションマッチをタッグバトルにさせて欲しい、と伝えた。
沈黙が続く。エキシビションマッチは、いつもシングルバトルだ。過去、ダブルバトルの前例はあるものの、タッグバトルとなると、チャンピオン側のパートナーの選出や、対戦側のパートナーの登録等手間はかかる。
「まずは、彼女にスタジアムに立つ気力があるかどうかです。それを確認しないことには、動けませんからね」
「…はい」
当然のことだ。いくらオレや周りが「やろう!」と声をあげても、当の本人が動けなければ、できないことだ。
「Aくんがタッグバトルを了承した際、キバナくん。君はパートナーとしてスタジアムに立つかい?」
Aがいるホテルの一室に着くまで、無言だったローズさんから振られた話。
パートナーとしてスタジアムに一緒に立つ……。
オレは立てるだろうか?彼女の力にはなりたいが、ダンデと同じ失敗を繰り返さないだろうか?
不安はある。が、彼女の…Aの力になりたい。支えたい。
「勿論。Aが望んでくれるなら」
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作者名:1204Sixh | 作成日時:2020年6月23日 15時