天使？悪魔？知りません！帰らせて下さい！【d!】

3話 ページ5

「お前か！探したで！愛し子(メシア)！」
「うぐっ！？め、メシア？誰の事で…？」
「シャオさん？！人間の女の子なんやから、もっと優しく……」

んへへ〜と笑いながら、首に抱き着いてくるまた新しい天使。
金色の翼に、何か花の香りのする天使は、エーミールさんに注意されると、不貞腐れたようにしぶしぶ首から離れた。
そして、翼を動かしながら私の前に出てきた。

「オスマンが、愛し子(メシア)が来たーって言いふらしとったから、どんな子なんかって見に来ててん」
「はぁ……」
「めっっちゃかわいい！女の子ってこんな可愛かってんな！！何があっても、俺が護ってやるからな！」

Aは、つっこむのを辞めた。埒が明かないと悟った。
未だにじたばたするその天使を抑えながら、エーミールさんは口を開いた。

「この人は、シャオロンさん。ガブリエルとも呼ばれますが、聖書の中などには程遠い。好奇心旺盛な純粋な子供のようでしょ？痛！痛い！悪かったから！」
「こいつの言ってる事なんか聞き流してええからな。」
「わぁ、楽しそうだなぁ(諦め)」

バシバシと翼でエーミールさんを殴っているようにしか見えないが、本人が気にするなと言うなら気にしないのだよ(戒め)


「まぁ、1回そういうことは置いておきまして…。オスマンさん、最後どこで見ました？」
「最後？ん〜……知らんな。でも、らんらんとこ行くんや〜！って言ってたで。」
「…そうですか。今って確か……」
「らんらんの相方が暴れ散らしとる時期やんな、ヘタに話しかけたら、エミさんはともかく、Aちゃんは燃やされてまうかもしれん」

へー、燃やされるねぇ……燃やされる！？どんだけ物騒なんだ！

「言い忘れてましたね、悪魔には罪の重さで持つ力の大きさが異なります。1番は嫉妬。最近のリヴァイアサンの持つ力は、サタンやルシファーおも凌ぐ強さです。」

「そんで、その持て余した力のまま暴れ散らかしてる訳やけど……それに対応する忍耐、ウリエルはピリピリしてるって訳。
なんで最近の人間は、嫉妬するんやろ。しても無駄やん」

「そうとも限りませんよ、元々嫉妬は向上意識なるものを育てるのに一役買っていたそうです。まぁ、今となっては妬み嫉み果てには怨みさへ産むものとなってしまいましたが。」

……この話を聞いてると、他人事に聞こえないし。悪魔は人間の気持ちから生まれたのだと再確認させられるなぁ……

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