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「えぇ。恐らく貸し切りになりそうな具合です。」



「マスターもご一緒しません??
 いつものお礼にご馳走させてほしいなー。」



「有り難いお誘いですね。
 ではせっかくなので、遠慮なく頂きます。」




マスターは穏やかに笑うとウィスキーをグラスに注いだ。


3人で乾杯して、色んな話をした。


そうして穏やかに時間を過ごしていると、ドアのベルが鳴った。


Aも波音も話に夢中で来た客には目もくれなかったがマスターは声を掛けた。


客は特にそれに反応することもなく、Aに真っ直ぐ近寄った。


その様子にハッとしたマスターが声を上げる。




「…っAさん…」



「…よぉ、A。久しぶりだなぁ??」




男は振り返ったAの顎にそっと手を添えた。


相手を認識したその顔からは表情が削ぎ落ちた。




「久しぶり、オジさん。12年振りかなー??」



「…惜しいなぁ。13年振りだろ??
 しかしお前、綺麗になったなぁ。」



「噂によると捕まってたって聞いたんだけど??
 シャバに出てこれたんだねー。」




平然とそう話すAと男を見ていた波音は、この男の正体が分かると顔を真っ青にした。




「…Aっ…」



「大丈夫だよ、波音ちゃん。ごめんね。」




男と話すよりも優しくそう言ったAはその手をそっと握った。




「出て来たばっかりでお前に会いに来たんだぜ??」



「それはあんまり嬉しくなかったなー。
 それで、用件は何??」



「アイツ死んだんだってなぁ??お前のこと
 大好きで極道にケンカ売って。ざまぁねぇな。」




ニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべてそう言った男の言葉に、Aは変わらずに笑みを返した。




「それがどうしたの??わたしはもう成人してる
 から、オジさんには関係ない話だよね。」



「そりゃそうだ。俺とお前は親子じゃねぇからな。
 でも俺も昔のままの俺じゃねぇんだよ。」




男は自信あり気に笑った。




「あの時はただのチンピラだったし、アイツに
 腕っぷしじゃ勝てねぇから黙って手を引いたが…


 今はそうじゃねぇ。
 何で俺が務所にいたか知ってるか??」



「興味ないなー。」



「身代わり出頭したんだよ。
 出てきたら幹部にしてやるって条件付きでな。」



「へぇ。ただのチンピラが出世したもんだね。」



「その条件にお前も入ってんだよ、A。」




頬をするりと撫でるその手にAは男を冷たく一瞥した。




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YUMi(プロフ) - ゆんこさん» ゆんこさん、新作見てもらえて嬉しいです!!期待に添えるように頑張ります(⁠◔⁠‿⁠◔⁠)性格悪めは書いてて楽しいです笑 (2022年11月13日 16時) (レス) @page4 id: 85b1561d95 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんこ - 新作待ってました!性格悪い夢主ちゃんいいですね!!これから楽しみにしてます!無理をなさらず頑張ってください!! (2022年11月12日 22時) (レス) @page2 id: 8a5959758c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:YUMi | 作成日時:2022年11月12日 18時

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