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時計がもう間もなく11時を指す頃
朝から事務所に顔を出していた蘭は運転しながら窓越しに静かに降る雨を眺めていた。
この後はオフのため、女でも呼ぶかと考えながら信号で停まった。
雨のせいか疎らな歩行者が歩道を渡っていく中、蘭はその目をほんの少し瞬かせた。
「…へぇ…あんな顔すんのなー。」
歩道を渡る女の姿に口端を吊り上げた。
昨日見たばかりの整った顔には全く表情が無く、まるで葬式の帰りかのように全身黒い服。
その細い両腕で雨に濡れないように優しく抱えられた木箱。
肩と首で挟むように傘を差すAはただ前を仄暗い目で見据えて、1歩ずつ進んで行った。
「あんなに大事そうに誰のこと抱いてんだー??」
蘭の中でまた1つ、Aへの興味が増えた。
その細い背中が見えなくなるまで見つめると、いいこと思い付いたとハンドルを握り直した。
信号が青になり、走り出す。
さっきまで行こうとしていた進路を変えて六本木の自宅マンションに直帰するとエレベーターで最上階の部屋に上がった。
スーツを脱いで、リビングのソファにゴロンと横になった。
スマホを弄りアラームをセットするとそのままソファで目を閉じた。
「…やっと、帰って来れたね。おかえりなさい。」
Aは水槽の隣に木箱を置いた。
スーツを脱いで横になると、赤ちゃんのように体を丸めて眠りについた。
どのくらい眠れたのか、Aのスマホが鳴った。
ディスプレイを確認せずに電話に出て少しだけ後悔した。
「…はい。」
『あ、寝てたー??』
「…ん、だれー…??」
『酷ぇな。蘭チャンだよ。』
「…あー、蘭くん。どうしたの??」
『ちょっと付き合って欲しいんだけどー。』
スマホを離してチラリと時間を確認すると14時を回った所だった。
「…わたし日中は行動しない主義なんだけど。」
『んじゃマンション押し掛けんぞー??』
「…絶対いや。」
『だったら支度して出てこいよ。
1時間後に六本木なー。』
「…わかった。」
渋々返事をしたAに気分良さそうに笑った蘭は電話を切った。
Aは起き上がるとシャワーを浴びて、いつもより素早く支度を済ませてマンションを出た。
最寄り駅から電車に乗ると蘭に言われた通り六本木に向かった。
何度か溜め息を溢したがどうにもならないと腹を括った。
午前中の雨はすっかり上がり、太陽が顔を出していた。
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YUMi(プロフ) - ゆんこさん» ゆんこさん、新作見てもらえて嬉しいです!!期待に添えるように頑張ります(◔‿◔)性格悪めは書いてて楽しいです笑 (2022年11月13日 16時) (
レス) @page4 id: 85b1561d95 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんこ - 新作待ってました！性格悪い夢主ちゃんいいですね！！これから楽しみにしてます！無理をなさらず頑張ってください！！ (2022年11月12日 22時) (レス) @page2 id: 8a5959758c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：YUMi | 作成日時：2022年11月12日 18時
