21 ページ22
·
六本木で電車を降りると時間も先程言われた1時間を過ぎていたため、キョロキョロと辺りを見渡してスマホを取り出した。
「おーい、Aチャン。」
名前が呼ばれてAがそちらを向くと駅のほど近く路駐した車に寄りかかるように立つ蘭の姿を見つけた。
昨日とは違いスーツではなくラフな私服を着ていて、目を瞬かせるとそちらに小走りで近寄った。
「車だと思わなかった。しかも私服だし。」
「私服でもイケてるだろー??」
ニヤリと笑った蘭はAを見下ろした。
「うん。モデルかと思っちゃった。」
蘭は素直にそう褒めて笑うAに自分の口元を指で撫でると言った。
「…Aチャン昼に見てもいい女だなー??」
「…わたし、滅多に昼なんか出歩かないんだから。
次はこんな時間に呼んだりしないでよねー??」
「何で??Aチャン、カタギだろ。
問題ねぇじゃん。」
「生活が夜型なんだもん。いつもまだ寝てるの。」
Aは頬を膨らませて蘭をジトリと見上げた。
「夜のお誘いかぁ??
蘭チャン喜んで付き合っちゃうけど??」
「違うし…」
あっさり即答したAに笑った蘭は手を引いて助手席に乗せた。
「今度はちゃんとお望み通り夜に
デートしてやるからそんな怒んなー。」
蘭は運転席に乗り込むとAの頭を撫でた。
「どこ行くの??」
「どこ行きてぇの??Aチャンは。」
「屋内がいい。あんまり眩しいの得意じゃない。」
太陽の光に眩しそうに目を細める様子は子どものようで蘭は肩を揺らした。
「ガキみてぇだな。」
「蘭くんこそ夜って感じなのに
何でこんな時間に普通にうろついてるの??」
「今日は朝から事務所いたしなー。
んで今日はもう終わりだから。」
そう言って車を走らせた。
「たまには陽の光浴びねぇと調子悪くなんぞー??」
「不健康代表って顔してるくせにそれ言うの??」
Aはおかしくなり口を開けて笑った。
「じゃあ調子悪くならないように
海でも連れてってよ、蘭くん。」
「…しょうがねぇなぁ。」
どこか楽しげに口端を上げた蘭は方向を変えて海に向かった。
「夜型ってAチャン嬢でもやってんの??」
「まぁ嬢もやってるよ。
非常勤だから月2回くらいだけどね。」
「へぇ。今度出勤の時教えろよ。
蘭チャンが金落としに行ってやるからなぁ??」
·
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
YUMi(プロフ) - ゆんこさん» ゆんこさん、新作見てもらえて嬉しいです!!期待に添えるように頑張ります(◔‿◔)性格悪めは書いてて楽しいです笑 (2022年11月13日 16時) (
レス) @page4 id: 85b1561d95 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんこ - 新作待ってました！性格悪い夢主ちゃんいいですね！！これから楽しみにしてます！無理をなさらず頑張ってください！！ (2022年11月12日 22時) (レス) @page2 id: 8a5959758c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：YUMi | 作成日時：2022年11月12日 18時
