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「ちょっと待ってね、波音ちゃん。」




Aはスマホを耳から離して隣でボーッとしている蘭に声を掛けた。




「蘭くん、今日お店出勤になったんだけど来る??」



「マジか。んじゃ行くかー。」



「お兄さん来るってよ。」



『VIPに案内するように店長に言っておくから。
 時間はあとでLINEくれると嬉しい!!』



「はーい、後でね。」




通話を切ったAは蘭の肩をポンと叩いた。




「タイミング良くお披露目だねぇ、蘭くん。」



「なー。Aチャン1回家帰るだろ??」



「シャワー浴びて化粧だけはもう少し
 ちゃんとしないとだよねー。」



「送ってってやるよ。
 別に行くのも面倒だし、待っててやるから
 飯食ってそのまま蘭チャンと同伴な。」



「ふふ、はーい。」




足に着いた砂をポンポンと払って、車に乗り込んだ。


マンションに着くと18時に近い時間だった。


駐車場に車を停めた蘭は窓を開けるとエンジンを切ってタバコに火を点けた。




「ホントにここで待っててくれるの??」



「だってAチャン、
 部屋入れたくねぇんだろ??」



「うーん…急いで支度してくるから!!」




Aは小走りでエントランスホールに向かった。


そんな背中を見送った蘭の顔は酷く優しい顔をしていた。


タバコを吸いながら竜胆に電話を掛けた。




『兄ちゃん、何??』



「お前今日の仕事あとどんくらいで終わんの??」



『今鶴蝶と任務向かってる。後始末までだと
 11時くらいまでには終わんじゃね??』



「あ、そー??
 終わったらAチャンとこのキャバクラ
 来いよなー。兄チャン先に行ってっから。」



『…はぁっ!?何で今日出勤て知ってんの??
 もしかして兄ちゃん…』



「兄チャン、今日Aチャンと
 午後からデートしてたんだよなー。


 したら出勤のお願いが来たとかで
 準備してんの待ってるとこ。
 今から同伴してそのまま店行くからなー。」



『…ホント兄ちゃんのそういうとこ嫌い。』




ポツリとそう言った竜胆は電話を切った。


蘭は喉を鳴らして笑うとスマホをいじって時間を潰した。


思ったよりも早く、Aは支度を済ませてまた小走りで蘭の元に戻ってきた。




「早ー。」



「ごめんね、お待たせ!!」



「全然待ってねぇけど??じゃあ、まー行くか。」



「蘭くん車どうする??」



「今から飲むから店の近く停めて
 帰りは部下に迎え来させるわ。」



「そっか。」




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YUMi(プロフ) - ゆんこさん» ゆんこさん、新作見てもらえて嬉しいです!!期待に添えるように頑張ります(⁠◔⁠‿⁠◔⁠)性格悪めは書いてて楽しいです笑 (2022年11月13日 16時) (レス) @page4 id: 85b1561d95 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんこ - 新作待ってました!性格悪い夢主ちゃんいいですね!!これから楽しみにしてます!無理をなさらず頑張ってください!! (2022年11月12日 22時) (レス) @page2 id: 8a5959758c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:YUMi | 作成日時:2022年11月12日 18時

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