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揃っている材料で下ごしらえを始める。
Aが手際よく調理していくのを
隣で手伝いながら所々でメモを取るエマ。
その様子を微笑ましく見つめた。
女のコが揃えば話は恋バナに切り替わる。
エマは好きな人が出来たようで
一生懸命アピールしているそう。
「でもマイキーとバイクのことばっかりで
ウチのことなんて全然なの。」
口を尖らせて俯くエマと目を合わせる。
「そういう人を好きになったなら、
心配ごとは尽きないけどエマちゃん
自身もブレないことが大事だよ。
いつもその人にだけ、誠実でいるの。」
「Aちゃんも好きな人いる??」
「うん。大好きな人がいるの。」
「どんな人??」
「自分のやりたいことに正直で、
太陽みたいにキラキラ輝いてる綺麗な男のコ。
いつまでも見つめたくなるような人なの。」
「そっかぁ。Aちゃんが好きになるんだもん、
きっとスゴく素敵な人なんだね!!」
「…うん。危なっかしくて心配になることも
多いけど、もうこの気持ちに嘘ついたり
逃げたりしないって決めたんだ。」
そう微笑むAにエマの顔が華やぐ。
「ウチも!!何があっても、逃げたりしない。
どこまでも追い掛けるの!!」
「わたしたち、片想い同士だね。頑張ろ??」
「うん!!」
ぎゅっと抱き締め合う。
「…何だ??盛り上がってんな。」
スーパーの袋をぶら下げた
慶三がキッチンに顔を出す。
「おかえり!!」
「ありがとう、慶三くん!!簡単なツマミ
作ったから先に少し飲んじゃおう??」
「そうだな。」
並んでキッチンに立つAたちの
後ろにあるテーブルに座る。
「ウチも飲んでみたい!!」
「ふふっ、そう言うと思って
慶三くんにお願いしたんだー。」
受け取った袋の中からシロップと
オレンジジュースを取り出す。
グラスにシロップと氷を入れると
静かにオレンジジュースを注ぐ。
「はい。
エマちゃんのノンアルカシスオレンジ。」
「綺麗!!ありがとう、Aちゃん。」
グラスを渡すとうれしそうに笑う。
頭を撫でてやると冷蔵庫から
ビールの缶を取り出し、慶三に渡す。
「主役はまだいないから少しだけね。」
3人は小さく乾杯と声を掛けて口を付けた。
話をしながら料理をして、
出来上がったものを大皿に盛り付けていく。
エマのリクエストのからあげ、いかリング、
ミニハンバーグ、ひと口アメリカンドッグ。
昔ながらのナポリタンに小さめのサンドイッチ。
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作者名：YUMi | 作成日時：2023年12月12日 16時
