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エマは笑ってAの笑顔を優しく指で撫でた。
「マイキーとAが並ぶのは
昔から自然すぎて違和感なかったけど
マイキーといる時のAは
いつもしゃんとしてた。
そんなAのこと1番わかってるのは場地で
場地のこと1番わかってるのもA。
それでもAが結局甘えるのは灰谷兄。
灰谷兄もちゃんとAを思ってる。
だからAが最後に誰を選んでも
心から祝福するの。幸せになってほしいから。
マイキー選んでくれるなら
正真正銘姉妹になれるんだけど
これってやっぱりそういうことだよねー??」
エマはAがピアノを弾く写真の
左腕に着けられたブレスレットを指さした。
「あれ…これどっかで見たような…??」
日向が思い出そうとするとエマは
３年前に蘭がソロカットで取り上げられた
雑誌の画像をスマホに出した。
同じブレスレットを左手にした蘭の服や靴の
ブランドがページの下に書かれていた。
ブレスレットはモデル私物と表記されていた。
「プレゼントなのかな、蘭さんの…」
「灰谷兄って撮影の時あんまりアクセサリーに
こだわりないみたいでいっつもおまかせなのに
このブレスレットするようになってからは
これだけはいつも着けてるの。
今も着けてるのかはわかんないけどね。
ま、Aが選ぶならマイキーでも
場地でも灰谷兄でも全然良いかなって。」
「うん、そうだね。」
2人はこっそり笑い合った。
武道はそんな話を隣で聞きつつ
Aの笑顔を思い浮かべた。
つい何時間か前に見たばかりの
まだ15歳のAを。
「ねぇ、タケミっち。わたしたち
大人になってもこうして笑ってられるかな。
どんな大人になってるのかな。
誰1人欠けないで、自分が選んだ道
ちゃんと歩けてるといいなぁ。」
武道の耳にはAの願うような
優しい声が響いていた。
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作者名：YUMi | 作成日時：2022年7月23日 12時
