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「てことはマイキーくんてまさか、ど…」
「童貞じゃねぇからな、タケミっち。」
万次郎は武道を睨んでそう言い切った。
「Aに痛い思いさせたくねぇし
ヘタって言われたくねぇって卒業してんだわ。
俺も男だしその辺の気持ちは
わかるから目瞑ってた。」
「へぇ…
2人が付き合ってなかったんなら
Aちゃんだってかなりモテるし、
そういう経験あるんじゃ…」
武道の至極真っ当な言葉に騒いでいた他の
メンバーもピタリと止まり、３人に視線を集めた。
万次郎は睨みを強めて三ツ谷に視線を向けた。
「…三ツ谷ー、お前Aと…」
「いや、してねぇよ。俺。」
三ツ谷は真顔で即答した。
「三ツ谷とねぇにしても、Aだって
もういい歳なんだからさすがにあるだろ。
俺らもう２7歳になんだぜ??
それで経験ねぇとか天然記念物すぎるから。
夢見すぎじゃねぇ、マイキー??」
場地は口を大きく開けて笑うとビールを飲んだ。
「ウチもさすがにあると思うよー。
しかも今灰谷兄弟と一緒なんでしょ??
兄の方って昔からAこと好きじゃん。」
「…は??」
「いや、もう見るからに好きだったよね。
マイキー気付いてなかったの??」
「あれは完全にAちゃんのこと好きだと思う。
多分だけど、弟の方も。」
エマと日向の言葉に一同は目を見開いた。
「いや、マジか…」
「てかニィだってずっとAのこと好きだし。
アンタたち、揃いも揃ってニブちんだね。」
「エマちゃんのお兄さんはわかんなかったけど
灰谷兄弟は分かりやすかったかな。」
日向も思い出すようにそう言った。
「Aちゃんが中学卒業してバイトしながら
勉強してる時もよく会ってたみたいだし。」
「そうなの…??」
「うん。
塾帰りに何回かAちゃんと
会ったことあって今から蘭ちゃんが迎え来て
バイク乗せてもらうんだーとか言ってたよ。
竜ちゃんも来るかな??って
すごく楽しそうだったし。」
「灰谷兄が自ら進んで迎えくるとか
マジ有り得ねぇんだけど…」
三ツ谷は頭を抑えた。
「ウチもAと灰谷兄一緒のとこ
何回か見たことあるけど
Aといるとき灰谷兄の目蕩けてるよ。
めっちゃ優しい顔してるしねー。」
「あの２人って女の子には優しくしてくれるけど
Aちゃんは別格だなって分かるよね。」
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作者名：YUMi | 作成日時：2022年7月23日 12時
