夢見る歌うたい【DREAM!ng】 (ページ1)

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1 Hello Japan ページ1

「Hi！時雨。空港のロビー着いたんだけど迎えはどこ？」

『はい？貴女18:00着の飛行機って言ってませんでした？』

「嘘ぉ！離陸直前に連絡したつもりだったんだけど……あ、ごめん送れてなかった。」

『はぁ、今すぐ迎えを出します。1時間ほどかかるのでどこかで時間潰してて下さい。』

「OKありがとう。」

午前11時、多くの人が行き交う空港のロビーに響く通話中の声。

それに振り返る人は数多いが声の主が有名シンガーの椚Aであることに誰も気づかない。

東京の空港に有名人が来ることなんて珍しくないしそれっぽい風貌やオーラの人なんてたくさんいるから。

「さぁってフライト明けの目覚ましにコーヒーでも飲もかな」

大きなスーツケースを横に連れてヒールを鳴らしながらL.Aにもあったコーヒーチェーン店を探しに行く。

天然のウェーブがかかったブランドのロングヘアはフライトの疲れなど感じないほど調子がいい。

向こうの春はまあまあ寒いけどこっちはもう桜が見頃らしいし少し着込みすぎて浮いてる。

「あー今頃寮に大量の荷物届いて向こう困ってるよなぁ。あの男なら捨てるかも…」

学校の寮は白と黒に分けられその中でさらに男女で分かれている。
男子の寮長がその寮の一番偉い人なんだけど私が生活することになる黒寮の寮長はまた面倒な人で…その執事も面倒な人だからな…

prrr

そんなことを考えていればさっき時雨に伝えた私の電話番号に迎えの人らしき相手から電話が来た。

「さあ行こう。寮に着いたらまずシャワー浴びて寝るか。」

寝てるだけで褒められ成績が取れる。
部屋のベッドでもそうなら良いのに…