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無花果「五百雀」
『・・・無花果、さん』
乙統女「・・・」
『少し、別室に行っても・・・?』
無花果「私は、構わん」
乙統女「早めに戻ってきてくださいね」
『ありがとうございます』
ペコリ
『帝統、こっち』
帝統「! あ、あぁ!」
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─別室─
帝統「・・・桜華」
『そういえば、他の二人は何処に行ったの?』
帝統「ら、乱数は知らねーけど」
『・・・』
帝統「幻太郎なら、向かってきてるはずだ」
『そっか〜』
帝統「それより、なんで中王区側についたんだ。 教えろ、桜華」
『あの二人の人生、ハッピーエンドにしたかったんだ〜』
帝統「・・・は? ハッピーエンド・・・?」
『そうだよ。 ハッピーエンド! 誰もが望む「ハッピーエンド」に』
帝統「・・・対象の人物は」
『碧棺左馬刻と碧棺合歓!』
帝統「・・・はっ・・・?」
『あの二人とは、兄妹─って知ってるもんね。
この髪、染めたって言ったけど「嘘」だから。
これは地毛・・・って言うわけでもないけど。
この裏表で違う色なのは染めたから。
黒色が地毛なの。 オトーサンに似ちゃった』
帝統「・・・は? なんで、親父に似てたら悪ぃんだ?」
『虐待、受けてたから。 左馬刻が守ってくれてたけど・・・きっと地毛の色でそう言ってるんだよ。
嫌だから、紫色に染めた。 そして、また』
帝統「っ」
『だから、嫌われてる。
目の色だってオカーサンの色。 そこだけ。
オカーサンに似たのはそれだけ。
オカーサンは、白銀の髪色なのに』
帝統「・・・」
『逃れるために、オトーサンから逃れるために。 髪を染めたの。
ま、どうしてるかは知らないし、知りたくもないんだけどね』
ギュッ
『っ』
帝統「泣いていいんだぞ。 さっきから声質が、な・・・」
『帝統・・・』
帝統「すまねぇ、こんなことも知らねぇで聞いて・・・」
『大丈夫だよ』
こうやって、抱きしめられたの
『何時ぶりなんだろうなぁ・・・』
そう呟いた時、抱きしめる力が強くなった気がした。
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ぱい - イラストが読み込めないです🥺 (2022年6月21日 10時) (レス) @page47 id: 0c35d3b667 (このIDを非表示/違反報告)
setura0901(プロフ) - *アメダマさん» 片目が隠れた狐面を持った紫のパーカーのイラストがあると思います。 (2020年4月18日 16時) (レス) id: ba69c8b6c6 (このIDを非表示/違反報告)
*アメダマ(プロフ) - setura0901さん» 同じ名前の方が沢山いたので、アイコンの写真を教えてもらえませんか?? (2020年4月18日 15時) (レス) id: d04d0010f6 (このIDを非表示/違反報告)
律夏 - 切なくてとても引き込まれる小説で凄く大好きです。続き頑張って下さい。応援して (2020年4月18日 14時) (レス) id: 1973cdad8a (このIDを非表示/違反報告)
setura0901(プロフ) - *アメダマさん» ありがとうございます。インスタは同じユーザー名を使っていて、侑月という名前です。お手数ですがメッセージを送っていただければありがたいです。 (2020年4月18日 9時) (レス) id: ba69c8b6c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*アメダマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/11e53d16ff1/
作成日時:2020年3月24日 23時