研磨よりもゲームが強いネトゲ廃人の彼氏になった件について。【黒尾鉄朗】

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黒尾side。


その時(告白した時)の天久は、本当に綺麗だな。と正直に思った。


思い返せば、天久はいつも綺麗だった。

どこか儚げで、だけど笑うと無邪気で子供っぽい。
いたずらっ子みたいに意地悪く笑う時もあって、真剣な話をする時は、煽らないで真剣に話を聞く。悲しい時はわざと明るく振る舞う。自分が落ち込んだ時は気を利かせて楽しいところに連れていく＿＿


考えれば、天久は他の奴(女子)とはいい意味で違った。

俺は恋愛というものをしたことが無い。だからこの感情も知らない。


だけど、天久の良いところがぱっと出てくる限り俺も実は＿＿＿


まさか俺がこんなことを思うとは、と少し笑ってしまう。


『条件も出していいよ。私の勝手だし』

｢条件、ねェ......じゃ、ふたつでもいい？｣

『なんなりと』


マジシャンみたいにお辞儀していた天久の細い手を受け取って立ち上がる。

天久は手を握られてびっくりしたのか、目を見開く。


だけど、俺は構わず話を続けた。


｢ひとつ。バレー部のマネージャーになること。
そろそろ夏合宿で人手が足りなかったからねェ。

ふたつ。


＿＿＿俺の本当の彼女になること｣


天久の顔が紅く染まったのが見えた。

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